今日の臨床サポート

口角炎

著者: 藤山俊晴 浜松医科大学 皮膚科学講座

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2022/06/23
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 口角炎とは、口角およびその周囲に炎症を来した状態である。狭義の口角炎は湿疹性の炎症を指すが、広義の口角炎には感染症によるものも含まれる。
  1. 多くは、外的刺激により発症し、様々な追加刺激によって症状が遷延することがある。
  1. 吸収不良症候群、胃腸傷害、ビタミン等の欠乏症が原因になることもある。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤山俊晴 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(マルホ,サノフィ,協和キリン),原稿料(医学書院)[2022年]

改訂のポイント:
  1. 鑑別疾患表を追加した。
  1. 各項目の記載内容を増量した。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 口角炎とは、口角およびその周囲の浸軟、鱗屑、痂皮、軽度のびらん、亀裂、小水疱等を伴う炎症を来した状態である。
  1. コンセンサスの得られている分類は存在しないが、狭義の口角炎は湿疹性のものを指し、広義の口角炎にはカンジダ、細菌、梅毒などを含む感染性のものも含まれる。
  1. 湿疹性の口角炎の多くは、外的刺激により発症すると考えられている。口角は、赤唇の幅が狭く粘膜と皮膚が近接していて溝が形成されているうえに、開口、食事、歯、入れ歯や歯磨き等の物理的な刺激も受けやすい場所である。
  1. 高齢者においては咬合高径(咬み合わせ)の低い義歯を装着する、あるいは歯がなく義歯も装着していない状態では、口角の皮膚が折れ込んでその溝に唾液が溜まりやすい[1]
  1. 飲食物や化粧品等の刺激も加わりやすく、これらの単一また複合した刺激によって発症すると推測される。
  1. 舌で舐める癖のある人や、口角に唾液の貯留しやすい人の場合は特に刺激を受けやすい。逆にドライマウスも口角炎の原因となり得る。
  1. ビタミンやミネラルの不足、免疫能の低下や皮膚・粘膜の脆弱性を来す疾患は誘因となる。
  1. 1度発症すると、バリア機能の損なわれている病変部位は、より刺激に敏感となり、慢性化しやすい。
 
歯科治療に伴って発症した口角炎

右口角に繰り返す鱗屑を伴った紅斑と亀裂

出典

img1:  著者提供
 
 
 
亜鉛欠乏患者に出現した口角炎

口周囲の皮膚炎を伴っている。

出典

img1:  著者提供
 
 
 
マスクの長期着用による口唇および口囲の湿疹に続発した口角炎

出典

img1:  著者提供
 
 
問診・診察のポイント  
  1. 問診においては、発症時の状況、過去に類似の症状があったか、刺激になるような生活習慣、食習慣の有無を確認する。

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文献 

Marco Cabras, Alessio Gambino, Roberto Broccoletti, Giovanni Lodi, Paolo G Arduino
Treatment of angular cheilitis: A narrative review and authors' clinical experience.
Oral Dis. 2019 Aug 29;. doi: 10.1111/odi.13183. Epub 2019 Aug 29.
Abstract/Text Angular cheilitis (AC) is a clinical entity first described in the XIX century, characterized by erythema, rhagades, ulcerations, and crusting of one or both lip commissures and perilabial skin, responsible of an unpleasant and painful discomfort. Aim of this manuscript was to examine and evaluate the therapeutic options actually available for AC. Despite antifungals being the first-line treatment for most of clinicians, very limited scientific evidence supports their reliability, with just two RCTs published between the 70's and the 80's. Furthermore, alternative topical treatments, various techniques of occlusal vertical dimension restoration, B-vitamin supplementation, anti-drooling prosthetic device, and photodynamic therapy have been experimented and proposed, mostly in the form of case reports or case series on a small number of individuals. Our group found in 1% isoconazole nitrate (ISN) and 0.1% diflucortolone valerate (DFV) ointment the most consistent AC treatment, due to the broad spectrum of ISN against many species of dermatohpytes and bacteria, and the anti-inflammatory properties displayed by DFV. However, further and well-designed trials on larger samples of patients are needed to assess the differential profile of consistency of the treatments outlined in literature and claimed by the authors of this paper.

© 2019 John Wiley & Sons A/S. Published by John Wiley & Sons Ltd. All rights reserved.
PMID 31464357

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