今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 大川清孝 大阪市立十三市民病院 顧問/淀川キリスト教病院 消化器内科顧問

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2023/03/22
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 食中毒の最近の動向について厚生労働省の「食中毒統計資料」に基づき解説した。
  1. 2020年に新型コロナウイルスが蔓延し、その対策により食中毒の発生件数や発生数が抑制され、これまでの傾向に明らかに変化がみられた。3カ月にわたっての一斉休校措置や外食・宿泊施設の利用の減少など人の動きを止める対策は、食中毒の発生を抑制し、その後の解除後も低い状態が維持されている。
  1. また、サルモネラ腸炎に対するニューキノロン系抗菌薬の投与期間を3~7日間投与へ修正した。

概要・推奨   

  1. 食中毒の原因としてウイルスではノロウイルスが、細菌ではウェルシュ菌、カンピロバクターや病原性大腸菌が多い。
  1. 大規模食中毒の原因として多い病原微生物はサルモネラ、ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、ノロウイルスである。
  1. 食中毒の原因物質として1990年代後半まではサルモネラと腸炎ビブリオが最も多かったが、2000年以降はノロウイルスとカンピロバクターが多くなった。
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  1. Vibrio vulnificus感染症は肝硬変患者では致死的な食中毒であり、早期治療が必要である(推奨度2)

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
大川清孝 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

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