今日の臨床サポート

抗リン脂質抗体症候群

著者: 波多野裕明 東京大学医学部付属病院 アレルギーリウマチ内科

監修: 金子礼志 国立国際医療研究センター 膠原病科

著者校正/監修レビュー済:2017/03/31
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 抗リン脂質抗体症候群(APS)は、抗リン脂質抗体(aPL)と関連する血栓症および妊娠合併症と定義される。APS患者の約半数に全身性エリテマトーデス(SLE)を合併する。
  1. 診断は、Sapporo criteria2006年シドニー改変(J Thromb Haemast 4: 295-306、2006.)に基づいて行われる。患者の病態に応じて、血栓症二次予防を行う。
  1. 原発性抗リン脂質抗体症候群は、指定難病であり、重症度分類3度以上などの場合は、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。()
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
波多野裕明 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:金子礼志 : 特に申告事項無し[2021年]

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 抗リン脂質抗体症候群(APS)は、抗リン脂質抗体(aPL)と関連する血栓症および妊娠合併症と定義される。APS患者の約半数に全身性エリテマトーデス(SLE)を合併する。
  1. 診断は、Sapporo criteria2006年シドニー改変(J Thromb Haemast 4: 295-306、2006.)に基づいて行われる。患者の病態に応じて、血栓症二次予防を行う。なお、再発時には、初発時と同様の発症様式を示すことが多い。
  1. 抗リン脂質抗体症候群の分類基準(Sapporo Criteriaのシドニー改変2006<図表>
  1. 原発性抗リン脂質抗体症候群は、指定難病であり、重症度分類3度以上などの場合は、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
病歴・診察のポイント  
  1. 血栓症や妊娠合併症既往について、APS診断基準を満たすものかどうか、詳細に検討する必要がある。検査では、APTT延長がスクリーニングになり得るが、試薬による違いに留意する。また、LAや抗リン脂質抗体の証明が12週間以上あけて2回必要であり、1ポイントでは診断に至らない。SLEを検索する必要がある。ほかの血栓症リスクは、鑑別としても重要であり、APS診断例でも治療方針に影響するため、詳細に評価する。

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