今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 竹下俊行 竹下レディスクリニック

監修: 岩瀬明 群馬大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座

著者校正/監修レビュー済:2024/05/29
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 産科編2023
  1. 日本産科婦人科学会日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023
  1. Recurrent Miscarriage Green-top Guideline No. 17. 2023
  1. ESHRE: Recurrent Pregnancy Loss – Guideline of the European Society of Human Reproduction and Embryology. 2022
  1. 不育症管理に関する提言2021(http://fuiku.jp/common/teigen001.pdf)
  1. ASRM: Evaluation and treatment of recurrent pregnancy loss: A committee opinion.2012
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン産科編/婦人科外来編2023および以下の不育症(習慣流産)ガイドラインの発行に伴いレビューを行った。
  1. Recurrent Miscarriage Green-top Guideline No. 17. 2023
  1. Recurrent Pregnancy Loss – Guideline of the European Society of Human Reproduction and Embryology. 2022
  1. 以下の追記を中心に、一部の記載を変更・追加した。
  1. 既往流産歴がある女性が新たに流産した場合、胎児・絨毛の染色体検査を行なうことが望ましい(推奨度2)
  1. 現在の日本の定義では生化学的妊娠は流産回数に含まないが、ESHREでは2017のガイドラインから流産回数に含めるようになった。
  1. 染色体異常がない場合は、次回妊娠に備えて不育症原因精査を行う。
  1. 最近米国とヨーロッパのリウマチ学会から抗リン脂質抗体症候群の新しい分類基準が提唱されが(Barbhaiya M, et al. Arthritis Rheumatol. 2023 Oct;75(10):1687-1702)、今後、不育症診療や産科診療でこの分類基準を用いるかどうかは不確定であり、産科的抗リン脂質抗体症候群の新たな基準を策定する必要があるかも知れない。
  1. 頻度の高い疾患(エビデンスレベルは高くない疾患)から、高プロラクチン血症を削除した。

概要・推奨   

  1. 不育症に対して原因究明のための精査を行っても、約半数の症例で原因特定はできない。こうした原因不明症例に対して抗血栓療法(アスピリン、ヘパリンなど)を行っても生児獲得率を改善しないので、抗血栓療法は推奨されない(推奨度3)
  1. 初期流産を繰り返している抗リン脂質抗体症候群による習慣流産患者が妊娠した場合、低用量アスピリンとヘパリンの併用療法が推奨される(推奨度2)
  1. 抗リン脂質抗体症候群は習慣流産の原因として最も重要であり、頻度も高い。したがって、習慣流産(不育症)の原因検索にあたっては抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2GPI抗体)を測定することが推奨される(推奨度2)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
竹下俊行 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:岩瀬明 : 講演料(フェリング・ファーマ(株))[2024年]

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