今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 白井雅人 順天堂大学医学部附属浦安病院 泌尿器科

監修: 堀江重郎 順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学

著者校正/監修レビュー済:2023/05/24
参考ガイドライン:
  1. 日本性機能学会:ED診療ガイドライン 第3版
  1. European Association Urology:Guidelines for sexual and reproductive health
患者向け説明資料

改訂のポイント
  1. EAU guidelinesに基づき、Low intensity-Shock Wave Therapy(Li-SWT)を治療の項に追加した。
  1. レビトラ錠が販売中止となったため、ジェネリック医薬品のバルデナフィル錠の名称とした。

概要・推奨   

  1. EDの有病率は加齢に伴って上昇する。その原因としては、加齢に伴う陰茎の組織学的変化、内分泌環境の変化のほか、種々のリスクファクターの増加が考えられる。
  1. 喫煙は明らかにEDを引き起こす。できるだけ喫煙しない(受動喫煙も含め)ことを心がけるべきである。禁煙のEDリスク減少効果は明白ではないが、患者には禁煙を勧めるべきである(推奨度1
  1. 高血圧患者ではEDを合併する頻度が高く、重症化しやすい。高血圧とEDの合併頻度が高い理由は、血管機能障害が両疾患の原因になっている可能性と、高血圧による血管障害がEDの原因となっている可能性がある。降圧薬のなかにはEDを増悪させる作用を持つものがあり、注意を要する。
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  1. EDと下部尿路症状・前立腺肥大症(LUTS/BPH)は合併することが多く、しかも重症度が比例する。BPHの薬物療法に関しては、α1遮断薬はEDを起こす可能性は少ない。5α還元酵素阻害薬はEDを起こす。BPHの手術療法に関しては、ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)以外はEDを起こす可能性が高い(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 勃起障害(erectile dysfunction、ED)は、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または(and/or)維持できない状態が持続または(or)再発すること」と定義されている。
  1. EDの診断は、患者が満足な性交を営むことができる勃起が得られないという訴えがあれば成り立つ。
  1. 発病率はさまざまなリスクファクターによって変化するが、中高年男性を中心に発生し、人口の高齢化に伴って有病者は増加傾向にある。
  1. わが国の有病率は中等度EDが約870万人、完全EDが約260万人、合わせて1,130万人と推定された。加齢に伴って増加し、50歳代前半で55%、60歳代前半では75%にものぼる。
  1. 診断は、患者の77%は、質問紙、問診、身体所見、臨床検査といった基本的な診断手段でEDの原因診断が可能である。
  1. 機能性(心因性、精神病性)か器質性(血管性、神経性)かを問診で明らかにする。
    早朝勃起やマスターベーションで勃起が得られるのに性交時に得られない場合は機能性と考える。心因性勃起障害は緊張やストレスによる交感神経亢進状態が原因となる。新婚EDと呼ばれる新婚カップルに多いものや挙児を得る重圧が引き起こすことが多い。
  1. 勃起機能質問紙としては、International Index of Erectile Function 5(IIEF5)やIIEF5に性交頻度を加味した Sexual Health Inventory for Males(SHIM)、Erection Hardness Score(EHS)などが日本語でも使用できる。
 
  1. EDの有病率は加齢に伴って上昇する。その原因としては、加齢に伴う陰茎の組織学的変化、内分泌環境の変化のほか、種々のリスクファクターの増加が考えられる。
  1. マサチューセッツ男性加齢研究(MMAS)でも日本人の調査でも、加齢とともにEDの有病率は上昇している[1][2]。また、289人の日本人と2,115人の米国人の地域住民を対象とした疫学調査でも、日本人のほうが性機能の低下が著しく、70歳代では71%が中等度ないし完全EDであると報告されている[3]。また、わが国の企業従事者とその家族に対する調査でも、加齢によりEDの有病率の上昇がみられた[4]。さらに、国内で慢性疾患のため通院中の患者4,609人を対象とした調査でも、2,084人の人間ドックのデータを解析した調査でも、同様の結果であった[5][6]
  1. 加齢によるEDの原因としては、陰茎海綿体白膜の弾性線維の減少などの組織学的変化の結果として静脈流出系の閉鎖機能の低下、血清男性ホルモン濃度の低下に加えて、後述する種々のリスクファクターが加齢とともに増加することによると考えられている[7][8][9]
 
  1. 海外の報告では高脂血症はEDのリスクとされているが、日本人では、高脂血症はEDのリスクファクターとは言い難い。コレステロール低下薬による薬剤性のEDに関しての関連は、むしろ勃起機能を改善するという報告とEDを起こすという報告があるが、いまだ結論は出ていない(推奨度1)<図表>
  1. 米国でのマネージドケアのデータベース(n=27万2,000)を用いた調査では、ED患者の42.4%が高脂血症を有していたとされる[10]。やはり米国で、調査開始時にはEDでなかった3,250人を6~48カ月フォローした結果、総コレステロールの高値とHDLの低値がED発症のリスクファクタ―であった[11]。一方、ボストンの地域住民1,899人(30~79歳)を調査した研究(Boston Area Community Survey: BACS)では、高脂血症を総コレステロール>240mg/dlで定義し、IIEF5で勃起機能を評価すると、高脂血症で無治療群が21.6、高脂血症なし群で20.6と差がなかった[12]
  1. わが国における疫学研究をみてみると、企業従業員とその家族を調査した研究(n=1,517人、高脂血症は自己申告)、慢性疾患のために通院中の患者を調査した研究(n=4,609人、高脂血症は自己申告)、人間ドックのデータを解析した研究(n=2,084人、総コレステロール>220mg/dl or LDL>140mg/dlを高脂血症と定義)、3つの研究すべてで高脂血症とEDの関連を認めていない[4][5][6]。また隣国の韓国での疫学調査(n=1,570人)でも、総コレステロール、HDL、LDLのいずれもED患者と健常者間で差を認めていない[13]。したがって、脂質異常症に関しては、欧米人と日本人を含むアジア人種ではリスクファクターとしての寄与度が異なるのかもしれない。
  1. さて、脂質異常症に対する薬物療法の勃起機能への影響に関しては結果がまちまちである。高脂血症治療薬が勃起機能を改善したとする研究は、
  1. 高脂血症のみがEDのリスクファクターである患者にスタチン(アトルバスタチン)を投与した観察研究
  1. シルデナフィルにアトルバスタチンかプラセボを上乗せするRCTで、IIEFのEFドメインを有意に実薬が改善した。
  1. 神経温存前立腺全摘術後の勃起機能回復をシルデナフィル単独群とアトルバスタチン併用群で比較した研究では、併用群で有意に早い回復を認めている(n=50)[14]
  1. 一方、高脂血症治療薬が勃起機能を改善したとする研究は、①高脂血症で外来を受診した患者を、薬物治療を受けていた群(n=339)と受けていなかった群(n=339)に分け、ED(NIHの定義による)の有無を調べたところ、薬物治療群では12.1%、対照群では5.6%(p=0.0029)と有意差をもって薬物治療群にEDを多く発症していた。心血管リスクの高い患者群(n=93)にスタチンを6カ月投与したところ、IIEF5が18.7から10.4に低下し、新たに22%の患者にEDが発生した[14]。前述のBACS研究でも、55歳以下で糖尿病か心血管疾患を有する患者では、高脂血症治療薬はEDのリスクを上昇させた(オッズ比10.39、95%CI:3.25~33.20)[12]
病歴・診察のポイント  
  1. 問診の目的は、機能性(心因性、精神病性)か器質性(血管性、神経性)かを明らかにすることである。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
白井雅人 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:堀江重郎 : 未申告[2024年]

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勃起不全

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