今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 樋口敬和 獨協医科大学埼玉医療センター 輸血部

監修: 神田善伸 自治医科大学附属病院 血液科

著者校正/監修レビュー済:2024/03/21
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、一部文言について加筆修正を行った。
診察のポイントと鑑別診断・合併疾患について追記した。

概要・推奨   

  1. 貧血とは血液中の赤血球成分が減少した状態であり、世界保健機関(WHO)基準では、ヘモグロビン(Hb)濃度が成人男子は13.0 g/dL未満、成人女子や小児は12.0 g/dL未満としている。なお、高齢者については、わが国では男女とも11.0 g/dL未満を貧血とすることが多い。
  1. 貧血の症状は、貧血の程度だけでなく、進行の速さ、代償の程度によって異なる。
  1. 貧血の鑑別では、まず平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)と網赤血球数に注目する。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 貧血は血液中の赤血球成分が減少した状態であるが、酸素を運搬するという赤血球の機能を反映するヘモグロビン(Hb)濃度で評価することが多く、Hb濃度が低下している状態である。世界保健機関(WHO)は成人男性でHbが13.0 g/dL未満、成人女性で12.0 g/dL未満を貧血としている。
  1. 高齢者については、わが国では男女とも11.0 g/dL未満を貧血とすることが多い。
  1. 貧血は大きく分けて、骨髄での産生低下、あるいは産生された赤血球が血管内(末梢循環)に出てからの異常のいずれかにより起こる。
  1. 骨髄での生産低下は、①造血幹細胞の異常、②細胞質の成熟障害(Hb合成障害)、③核の成熟障害、④腫瘍細胞や線維化 による骨髄の置換により生じ、骨髄から血管内に出てからは、⑤血管外への出血、⑥溶血、⑦希釈、が原因となる。
  1. 貧血の鑑別診断の最初のステップでは、貧血以外に白血球、血小板の異常がないか確認する。貧血以外の血球の異常を伴っている場合や骨髄疾患が疑われる場合は、骨髄検査が診断に必要なことが多い。
  1. 貧血の成因(赤血球生成の低下、赤血球破壊の亢進、出血など)によるアプローチと赤血球形態(小球性、正球性、大球性)によるアプローチがあるが、日常臨床においては後者(赤血球形態)からアプローチするのがより効率的である。
 
貧血の鑑別診断のステップ

貧血をみたら、まず貧血以外に白血球、血小板に異常がないか確認し、平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)と網赤血球数に注目し、MCVに基づいて小球性、正球性、大球性貧血に分類して鑑別診断を進める。(表<図表>

出典

著者提供
 
  1. 貧血の鑑別にはまず平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)と網赤血球に注目する( >詳細情報 )。
 
平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)による貧血の鑑別

日常診療では、貧血をMCVにより小球性、正球性、大球性に分類してアプローチする。
“小球性または正球性”、“正球性または大球性”となる場合もあることに注意する。

出典

著者提供
 
  1. MCVは血算をオーダーすれば自動血球計測器で自動的に算出されるが、網赤血球は別途オーダーする必要がある。
  1. 網赤血球の増加があれば急性出血か溶血をまず考えるが、日常臨床で急性出血を認めて貧血の鑑別が問題となることはまずない。
  1. 骨髄異形成症候群で、無効造血を反映して網赤血球が軽度増加することがある。
  1. 網赤血球の減少は、赤血球産生の低下を示唆する。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 貧血の自覚症状:いつごろから症状が生じたか、およびその経過。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
樋口敬和 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:神田善伸 : 講演料(旭化成(株),MSD(株),ノバルティスファーマ(株),ファイザー(株),サノフィ(株),中外製薬(株),アステラス製薬(株),協和キリン(株)),奨学(奨励)寄付など(協和キリン(株),中外製薬(株))[2024年]

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