高カルシウム血症 :トップ    
監修: 花房規男 東京女子医科大学 血液浄化療法科
小泉賢洋 深川雅史 東海大学 腎内分泌代謝内科

概要

検査・所見のポイント:
  1. 高カルシウム(Ca)血症は、補正Ca濃度あるいはイオン化Ca濃度が基準値を超過する場合を指し、それぞれの基準値は補正Ca濃度が8.5~10mg/dl程度、イオン化Ca濃度が1.15~1.3mmol/l程度とされている。重篤になると、思考力低下、記銘力障害、意識障害などの症状を来すことがある。
  1. 血清中の(Ca)の40~45%はアルブミンをはじめとした蛋白質と結合しており、低アルブミン血症の患者では以下の式により補正Ca濃度を算出するか、イオン化Ca濃度を直接測定し評価する。
  1. 補正Ca濃度(mg/dl)=実測Ca値(mg/dl)+{4-血清アルブミン値(g/dl)}

検査適応: >詳細情報 
  1. 血清Ca値は、外来でルーチンとして検査されることが多いため、特に適応はない。

パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. 血清Ca値12mg/dl以下で無症状あるいは便秘などの軽微な症状のみを有する場合は、緊急治療の適応ではない。同様に、12~14mg/dlでも慢性的で耐性が十分に生じている場合にも緊急治療を必要とはしない。飲水励行による尿量確保やビタミンDなどの薬剤制限を行う。
  1. 思考力低下、記銘力障害、意識障害などを呈する場合や14mg/dl以上の場合には、緊急治療を必要とする。
  1. 緊急時の治療方法:
  1. 生理食塩水(等張液)による細胞外液量の増加(最初200~300ml/時の速度で開始)、尿中Ca排泄の促進を行う。
  1. 症状の程度に応じて、カルシトニン〔エルシトニン40単位筋注(点滴静注)を1日2回(3日間)〕やビスホスホネート製剤〔ゾレドロン酸(ゾメタ:4mgを15分以上かけて点滴静注)〕を併用する(ビスホスホネート製剤の保険適用は、悪性腫瘍による高Ca血症のみ)。
  1. 血清Ca値が非常に高値(Ca>16mg/dl)で症候性の場合、腎不全で十分な尿量を確保できない場合、心不全で多量の生理食塩水負荷ができない場合に血液透析を検討する。

入院適応: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価をするための検査
  1. 原発性副甲状腺機能亢進症と悪性腫瘍が原因の90%以上を占める。特に、外来患者では原発性副甲状腺機能亢進症、入院患者では悪性腫瘍に伴う高Ca血症の可能性を第一に考える。
  1. 薬剤性の頻度も高いことから、サプリメントなどを含めた薬剤歴の聴取を徹底する。
○ 高Ca血症を認めた場合、下記を病態に合わせて検査する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

高Ca血症診断のアルゴリズム
著者校正済:2018/07/23
現在監修レビュー中

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)


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