低カルシウム血症 :トップ    
監修: 花房規男 東京女子医科大学 血液浄化療法科
小泉賢洋 深川雅史 東海大学 腎内分泌代謝内科

概要

検査・所見のポイント:
  1. 低カルシウム(Ca)血症は、補正Ca濃度あるいはイオン化Ca濃度が基準値を下回る場合を指し、それぞれの基準値は補正Ca濃度が8.5~10mg/dL程度、イオン化Ca濃度が1.15~1.3mmol/L程度とされている。
  1. 低アルブミン血症の患者では以下の式により補正Ca濃度を算出するか、イオン化Ca濃度を直接測定し評価する。
  1. 診察では、Trousseau’s sign、Chvostek’s signを認めることがある。(説明: >詳細情報 )
  1. 症状としては、① 急性:神経筋症状(テタニー、けいれん)、心症状(徐脈、心収縮力低下など)、② 慢性:知能低下や認知機能低下、錐体外路症状(パーキンソン症状、ジストニア: 特発性副甲状腺機能低下症に多い)、うつや不安、ミオパチー、脳基底核石灰化、白内障、皮膚の乾燥 などを認めることがある。
 
補正Ca濃度:
  1. 補正Ca濃度(mg/dL)=実測Ca値(mg/dL)+{4-血清アルブミン値(g/dL)}
 
検査適応: >詳細情報 
  1. 血清Ca値は、外来でルーチンに検査されることが多いため、特に適応はない。
 
パニック値・緊急時対応: >詳細情報 
  1. 補正Ca濃度<7mg/dLあるいはイオン化Ca濃度<2.8mg/dLの場合には神経筋症状を呈することが多く、この場合は緊急治療を要する。
  1. 約4~8mEqのCa2+(カルチコールで10~20mL)を10~20分かけて静注(急速投与による心収縮力低下のリスクがあるため)したのち、1~2mEq/時(カルチコールで2~4mL/時程度)で持続投与する。血清Ca濃度あるいはイオン化Ca濃度を適宜フォローし、持続投与量を調整する。経路は中心静脈投与が望ましい。
  1. 静脈投与と同時に、炭酸カルシウム(9~12g)、活性型ビタミンD製剤(ワンアルファ3μg/日程度)を開始し、静注薬を徐々に減量していく。
  1. 低Mg血症を伴う場合には、治療抵抗性である。腎不全がなければ、硫酸Mg(マグネゾール)2g(20mL)を10分程度で静注し、~1g/時程度で補正されるまで持続投与を行う。
 
通常治療:
  1. 軽度あ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価をするための検査
○ 低Ca血症を認める場合、下記を病態に合わせて検査する[なお、9)の25-OHでビタミンDは保険適用外である]。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

薬剤性低Ca血症を引き起こす代表的な薬剤
著者校正済:2018/07/23
現在監修レビュー中

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、診断のアルゴリズムについて修正を行った。