性器ヘルペス :トップ    
監修: 山本舜悟 京都大学医学部附属病院 臨床研究教育・研修部
谷崎隆太郎 三重大学大学院 名張地域医療学講座、名張市立病院 総合診療科

概要

疾患のポイント:
  1. 性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルス(日本では初発は1型、2型がそれぞれ約半数、再発は2型が多い)によって起こる感染症である。典型的な臨床像としては感染後、外陰部の瘙痒、不快感などの前駆症状ののち、発熱、全身倦怠感、所属リンパ節腫脹、強い疼痛などを伴って、多発性の浅い潰瘍や小水疱が出現する。<図表><図表><図表>
  1. 感染は、ヘルペス病変、あるいは性液などから排出されている感染者のウイルスが主に性交によって相手の粘膜や皮膚の傷などを経由して感染する。初感染では感染者との性的接触後、4~7日で症状がみられる。一度ウイルスに感染すると、体内にウイルスが残るため、症状が改善しても再発のリスクがある。また、感染症に症状がなくてもウイルスを排出していることがある。
  1. 臨床型は、①初感染による初発、②過去に感染、発症したのち、潜伏していたHSVの活性化による再発、③過去に感染したものの無症候性であったが、のちに免疫活性の低下などによってはじめて病変を生じる非初感染初発――に分けられる。初発が通常、最も症状が重い。 エビデンス 
  1. 性器ヘルペスウイルス感染症は、感染症法の5類感染症に分類され、性感染症定点医療機関(産婦人科等医療機関)では、月単位で最寄の保健所に届け出る必要がある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 陰部、会陰部、肛門周囲の疼痛や違和感を訴える場合、特に小水疱や潰瘍性病変を伴っている場合に、ほかの性感染症も鑑別に挙げながら問診、診察を行う。
  1. 局所の違和感などの典型的な症状、小水疱、潰瘍などの病変の出現がみられる場合、特に初発の場合で全身症状もみられる場合には、検査結果を待つまでの間に臨床的診断に基づいて治療を開始する( エビデンス )。ただし、典型的でない症例も多いため、臨床診断を補助するために、培養、蛍光抗体法などの検査を併用することが推奨される。 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時臨床診断の補助に用いる検査
  1. 初めて性器ヘルペスの病変が出現した場合や症状が非典型的な場合、臨床診断のみでは感度、特異度が低いとされていることから臨床検査も併用する。検査方法は分離培養、PCRがよいとされているが、検査へのアクセスや、それぞれの検査の特性も考えて選択する。
○ わが国で保険適用があるのは1)のみであり、日常診療では1)を行う。
○ 2)~4)は保険適用外だが、1)よりも感度、特異度が優れるため、ほかの疾患との鑑別が特に重要になる症例では考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

初診時のアルゴリズム
再発時ディシジョンツリー
性器ヘルペス病変
性器ヘルペス病変
性器ヘルペスの病変
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

改訂のポイント:
  1. 性感染症診断・治療ガイドライ2016
に基づき確認を行った。


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