急性散在性脳脊髄炎 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
水野昌宣 岩手医科大学 内科学講座 神経内科・老年科

概要

疾患のポイント:
  1. 急性散在性脳髄膜炎(ADEM)とは、先行感染ないしワクチン接種後、数日から8週間後(多くは1~3週間後)に急性発症する脳脊髄炎である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 背景や臨床経過、脳や脊髄MRI所見、血液検査、髄液検査などを総合的に評価し診断される。
  1. 初回の中枢性脱髄疾患の診断のアプローチ:アルゴリズム
  1. ADEMのMRI画像:<図表>
  1. 診断には他疾患の除外が必要である。特に急性ウイルス性脳炎との鑑別が困難である症例も多く髄液ウイルスの抗体ないしPCR測定、頭部MRIの所見などを参考にする。基本的に単相性の疾患であり、再燃した場合は、多発性硬化症ないし視神経脊髄炎関連疾患など診断を再検討すべきである。
  1. ADEMの発生メカニズムはさまざまでありIPMSSG(International Pediatric MS study Group)[1]ではADEMを症候群として扱うことを提唱している。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. ADEMの予後は比較的よく50~80%は完全回復するとされる。
 
治療: >詳細情報 
  1. ADEMはまれな疾患であり、治療に関して十分なエビデンスや保険適用のある薬剤はない。一般的に、ステロイドパルス療法が行われ有効なことが多い。
  1. ウイルス性脳炎との鑑別が困難な場合、アシクロビル(ゾビラックス)静注を併用することもある。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 基本的にADEMを疑った時点で、小児例であれば小児科医、また成人例は神経内科にコンサルトする。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時確定診断に必要な検査例
  1. 急性ウイルス性脳炎ないし他の中枢性脱髄疾患を除外する。
○ 鑑別診断のために下記を行う。

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リファレンス

img  1:  International Pediatric Multiple Sclerosis Study Group criteria for pediatric multiple sclerosis and immune-mediated central nervous system demyelinating disorders: revisions to the 2007 definitions.
 
PMID 23572237  Mult Scler. 2013 Sep;19(10):1261-7. doi: 10.1177/135245・・・
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

初回の中枢性脱髄疾患の診断のアプローチ
ADEM、再発性ADEM、多相性ADEMの定義
ADEMとMSの臨床的相違点
多発性硬化症のMRI画像
視神経脊髄炎の画像
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27