線維筋痛症 :トップ    
監修: 上阪等 医療法人社団 桐和会
松本美富士 地方独立行政法人 桑名市総合医療センター リウマチ・膠原病内科

概要

疾患のポイント:
  1. 線維筋痛症(FM)とは、身体の広範な部位の慢性疼痛とこわばりを主症状とし、疲労・倦怠感、口腔乾燥、抑うつ気分、認知症状など多彩な身体、精神・神経症状を呈する原因不明の疾患である。
  1. 脊椎外傷、手術、強い身体・精神的ストレスが誘因となることがあり、また他のリウマチ性疾患や膠原病に併存することもある。
  1. 日本での有病率は1.7%と欧米とほぼ同様であり、働き盛りの中年以降の女性に好発するが、高齢者、小児例もある。
  1. 発症誘因(心理社会的要因):<図表>
  1. 発症誘因(身体的負荷):<図表>
  1. 続発性(二次性)線維筋痛症の併存疾患:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 3カ月以上にわたる身体の広範な部位の慢性疼痛やアロディニア(異痛症:通常は疼痛とならないような軽度の刺激で疼痛を感じること)を認める患者で、全身の疼痛、感冒様症状の継続、疲労、過敏性腸症候群様症状を訴える患者では線維筋痛症の評価が必要である。
  1. 以下の状態を満たす場合に線維筋痛症の診断となる。診断の際には下記の線維筋痛症問診票が役に立つ。
  1. 1:鑑別診断となる器質的疾患を除外できる。
  1. 2:アメリカリウマチ学会予備診断基準(2010)に基づき医師による評価を行い、WPI(widespread pain index:広範囲疼痛指数)≧7、かつSS(symptom severity:臨床徴候重症度)≧5、またはWPI:3~6かつSS≧9を認める。
  1. アメリカリウマチ学会予備診断基準(ACR2010):<図表>
  1. なお、線維筋痛症は、慢性疼痛以外に多彩な不定愁訴的身体、精神・神経症状を訴えるにも関わらず、画像を含めた一般的臨床検査で明らかな異常を認めないことが特徴である。また、以前のアメリカリウマチ学会(ACR)1990の線維筋痛症分類基準は圧痛点の有無に重きを置いた基準であったが、現在のアメリカリウマチ学会予備診断基準(ACR2010)は、臨床症状に重きを置き、診断に際…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診患者の評価例
  1. ドクターショッピングにより、すでにおおよその画像を含めた臨床検査は終了している場合が多い。過去の評価で、以下の評価が実施されていない場合は実施する。
  1. また、睡眠時無呼吸症の合併を疑う場合はポリソムノグラフィーによる評価を考慮する。
○ 症状、鑑別疾患に基づき、下記の1)~6)の検査を考慮する。神経症状が強い場合は7)を、消化器症状が強い場合で精査の希望が強い場合は8)を、睡眠時無呼吸症の合併を疑う場合は9)を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

初診時の線維筋痛症管理計画
線維筋痛症治療アルゴリズム(EULAR2016)
線維筋痛症分類基準(ACR1990)記載の圧痛点
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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