今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 石田康 宮崎大学 精神医学教室

監修: 上島国利 昭和大学

著者校正/監修レビュー済:2021/12/22
参考ガイドライン:
  1. 慢性疼痛診療ガイドライン作成ワーキンググループ:慢性疼痛診療ガイドライン
(https://itami-net.or.jp/expert/guideline) 
  1. 慢性疼痛治療ガイドライン作成ワーキンググループ:慢性疼痛治療ガイドライン
    (https://itami-net.or.jp/expert/guideline)
  1. 日本心身医学会:心身症診断・治療ガイドライン2006 
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 2021年に発刊された慢性疼痛診療ガイドライン(実質的には、2018年に発刊された慢性疼痛治療ガイドラインの改訂版)を参考に薬物療法例の内容を改訂した。

概要・推奨   

  1. 疼痛性障害の診療に関するガイドラインおよびさまざまな治療法とその効果に関するランダム化比較試験は存在しなかった。現時点では、疼痛性障害を下位分類に含む概念である「身体表現性障害」、あるいは、疼痛性障害の一部を含む概念である「慢性疼痛」の総説やガイドラインを参考にするしかない(推奨度2)
  1. 疼痛性障害の診断と並行して、気分障害、不安障害、精神病性障害といった診断が、その臨床的関与の重要性とのバランスでDSM-IV-TRのI軸診断として下されることもあり得る。ただ、基本的にはI軸診断は1つに絞るべく、慎重に検討すべきである(推奨度2)
  1. 患者が痛みの存在に圧倒された日常生活観から脱出し、痛みとつきあいながら、痛みにとらわれることなく自己実現を目標とした充実した人生を楽しめるように、全人的に医学的サポートを行うことが治療目標となる(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 疼痛性障害(DSM-5では、疼痛が主症状の身体症状症)は身体表現性障害の1つである。身体表現性障害とは器質的な異常が認められず、心理的要因によって身体症状に影響が出ている種々の障害の総称である。
  1. 疼痛性障害は、操作的診断基準のDSM-IV-TRの用語であり、その概念は、おおむねICD-10の持続性身体表現性疼痛障害に相当する。なお疼痛性障害は、DSM-5においては身体症状症に含まれ、該当すれば特定せよという追加項目で、“疼痛が主症状のもの”に該当する。
  1. 疼痛性障害においては、疼痛が臨床像の中心を占め、生活における機能障害を引き起こし、心理的要因が、疼痛の発症、重症度、悪化、あるいは持続に重要な役割を果たしていると判断される。DSM-IV-TRでは、持続時間が6カ月未満のものを急性疼痛性障害、6カ月以上なら慢性疼痛性障害と分類する。
 
痛みの悪循環

組織及び神経障害によって生じた痛み体験が破局的に認知されると、痛みに対する恐怖や不安に発展する。これらは、痛みに対する過敏性を引き起こし、回避行動につながる。身体を使わなくなることで、廃用症候群に陥ったり、抑うつ症状を伴ったりする。こうして、痛みの悪循環と遷延化が起こってくる。さらに、組織及び神経障害がなくてもこの痛みの恐怖回避モデルは成立すると考えられている。同じような組織及び神経障害を生じても、破局化や痛みに対する不安・恐怖が少なく早々に日常生活を行える人は、楽観的に痛みと向き合え、回復が早い。
 
参考文献:
岩城理恵、細井昌子:慢性疼痛に対する心理的アプローチと薬物療法.医学と薬学71(9): 1497-1506,2014

出典

住谷昌彦:わたしのフィロソフィ&スキル キュア編(第7回) がん疼痛ケアのための“非がん疼痛”再考 疼痛アセスメントのための「痛みの分類 最新版」.プロフェッショナルがんナーシング 7(1) 2017;76-80.
問診・診察のポイント  
  1. 診断に当たって、「情緒的葛藤や心理的社会的問題」の存在の確認が必要である。このためには十分な時間をかけた診察による情報の収集が要求される。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
石田康 : 講演料((株)ツムラ)[2025年]
監修:上島国利 : 特に申告事項無し[2024年]

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