直腸脱・粘膜脱症候群 :トップ    
監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院
井上靖浩 藤川裕之 廣純一郎 楠正人 三重大学 消化管・小児外科学

概要

疾患のポイント:
  1. 直腸の全層が脱出する病態を完全直腸脱と呼び、内痔核などを基点とし粘膜のみ脱出する不完全直腸脱とは病態が異なる。
  1. 不完全直腸脱なら、内痔核や粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome、MPS)などの鑑別へ移行する。(参照: 痔核 )
  1. 完全直腸脱なら、根治手術を念頭に脱出の程度などの精査を進める。
  1. いきむところを直接観察する怒責診断などで、実際に直腸脱を確認し、完全直腸脱か不完全直腸脱かを診断するのが最も大切である。<図表>(成人直腸脱の治療方針アルゴリズム
 
診断: >詳細情報 
  1. 肛門に腫瘤を触れる、お尻に何か挟まって歩きにくい、など特有の症状を訴える場合、完全直腸脱を想起する。特有の症状に加え、直腸脱の誘因とされる精神疾患や分娩、便秘などを認めた場合、原因疾患として完全直腸脱を想起する。
  1. 患者に怒責をさせて、実際の脱出を確認し、完全直腸脱か不完全直腸脱かを診断する。
  1. 不完全直腸脱の原因として、内痔核を基点に粘膜脱を来していることが多い。内痔核が原因の場合、内痔核治療(保存的治療、外科治療)に準ずる。
  1. 他の原因として、排便習慣が誘因となるMPSがある。
  1. 排便造影(defecography)、大腸内視鏡検査、直腸肛門内圧検査、CTおよびMRI検査、経肛門的超音波内視鏡検査を行い、鑑別疾患の評価と、骨盤底筋群の異常や、直腸瘤、膀胱脱、小腸脱、子宮脱などの合併を確認する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 病因が異なるので、治療選択の観点からも、完全直腸脱と不完全直腸脱の見極めが大切である。臨床分類としてはAltemeir分類やTuttle分類がある。(完全直腸脱の分類<図表>

治療: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

不完全直腸脱の患者で行う検査例
  1. 内痔核や粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome、MPS)の確認のため肛門直腸診、肛門鏡検査、大腸内視鏡検査を行う。
○ 不完全直腸脱では1)2)を行い、MPSを疑う場合は診断を確定するために3)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

成人直腸脱の治療方針
再発直腸脱の治療方針
小児直腸脱の治療方針
直腸脱の病態
小児直腸脱病因
完全直腸脱と不完全直腸脱の鑑別
MPSと病理組織所見
完全直腸脱の分類
完全直腸脱の代表的手術
直腸脱の主な術式と再発率
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21


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