上気道炎(かぜ症候群)(小児科) :トップ    
監修: 渡辺博 帝京大学医学部附属溝口病院
草刈章 くさかり小児科

概要

疾患のポイント:
  1. 上気道炎とは、鼻腔、咽頭、喉頭の呼吸器系ウイルス、一部細菌による急性感染症である。
  1. 炎症は容易に下気道の気管、気管支まで波及し、気管炎、気管支炎も含めて「かぜ症候群」と称することが多い。
 
診断: >詳細情報 
  1. 上気道炎(かぜ症候群)の診療にあたってはできるだけ原因病原体を確定、あるいは推定しながら診断や治療、病気の説明を行う必要がある。
  1. 大部分は気道系ウイルスの感染で起こるが、一部はA群β溶連菌や肺炎マイコプラズマ、クラミジアなどの細菌も原因となる。
  1. A群β溶連菌、インフルエンザ、RSウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、肺炎球菌、肺炎マイコプラズマについては迅速抗原診断キットがある。
  1. RSウイルスは乳児では重症の細気管支炎を起こすことがあり、1歳未満の鼻汁を伴うかぜ患者にはできるだけ迅速抗原検査を実施することが望ましい。
  1. 年齢、症状、所見、迅速抗原検査、流行状況、季節などを勘案すれば相当程度に原因病原体を絞り込める。
  1. 3カ月未満の乳児の発熱は、安易にかぜと診断しないで、細菌感染の鑑別のため血液、尿検査を行い、必要であれば入院精査を考慮する。
  1. 高熱や激しい嘔吐、咳、強い咽頭痛などを訴えている患者は、安易に上気道炎と診断しないで、ほかの重症疾患の鑑別を慎重に行う必要がある。
  1. 発熱が4日以上続く場合は、肺炎、マイコプラズマ肺炎、あるいはクラミジア肺炎、呼吸器系以外の感染症、膠原病などを疑い、尿や血液、X線検査などを行う。
  1. 鑑別疾患:細菌性髄膜炎、菌血症(  解説 )、眼窩蜂窩織炎( 解説 )、急性喉頭蓋炎(  解説 )、扁桃周囲膿瘍、咽後膿瘍( 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

A群β溶連菌の抗菌薬治療例
  1. 欧米においてはA群β溶連菌感染症といえども必ずしも抗菌薬治療は必要でないとされているが、わが国では一般的に抗菌薬投与が行われている。本菌は今のところペニシリンGに対して高い感受性を有しており、アレルギーの原因以外でペニシリン系以外の抗菌薬を選択する必要はない。通常はアモキシシリン(AMPC)を処方する。
  1. 重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析、その診断・治療に関する研究
  1. βラクタム薬にアレルギーがある場合にはEM、CM(クラリスロマイシン)を処方する
○ 錠剤やカプセルを希望する場合は1)、ペニシリンアレルギーがある場合は2)を処方する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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小児上気道炎の診療アルゴリズム
かぜ症候群の各病態と原因病原体
冬期の有熱性気道感染症
夏期の有熱性気道感染症
アデノウイルス感染症
アデノウイルスと新顔のヒトメタニューモウイルス、ヒトボカウイルスの臨床像
原因不明熱の診療チャート
肺炎球菌による菌血症
眼窩蜂窩織炎
扁桃周囲膿瘍
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25


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