MRSA感染症

著者: 冲中敬二 国立がん研究センター東病院 総合内科

監修: 大曲貴夫 国立国際医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2020/01/31
参考ガイドライン:
  1. 米国感染症学会(IDSA):Clinical Practice Guidelines by the Infectious Diseases Society of America for the Treatment of Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus Infections in Adults and Children(2011)
  1. 日本化学療法学会日本感染症学会:MRSA感染症の治療ガイドライン 改訂版2019
  1. [http://www.chemotherapy.or.jp/index.html 日本化学療法学会:抗菌薬TDMガイドライン改訂版(2016)

概要・推奨  

  1. バンコマイシンは必ず血中濃度モニタリング(TDM)を行い、トラフを最低でも10~20mg/Lに、重症感染症なら15 mg/L以上に調節することが勧められる(推奨度1)。
  1. 肺炎治療開始前には喀痰の培養検査を実施すべきである(推奨度1)。
  1. MRSA肺炎の診断は非常に困難であるが、致死率の高い疾患であり見落とさないように注意すべきである(推奨度1)。
  1. MRSA肺炎では特にバンコマイシンの血中濃度を高めに設定することが勧められる(推奨度1)。
  1. エリスロマイシン耐性、クリンダマイシン感受性パターンのMRSAに対してクリンダマイシンを使用する場合には必ずD testを実施し、エリスロマイシン誘導耐性の有無を確認しておくことが推奨される(推奨度1)。
  1. 黄色ブドウ球菌血流感染症は播種性感染症に注意する(推奨度1)。
  1. 血流感染症が持続する場合には安易に抗菌薬の変更を行うのではなく、原因についてしっかりと評価を行うことが推奨される(推奨度1)。
  1. 黄色ブドウ球菌感染症の治療においてリファンピン併用に関するエビデンスは乏しい(推奨度3)。
  1. 新規抗MRSA薬も耐性出現の報告があり、薬剤感受性に注意する(推奨度2)。
  1. MRSAによる菌血症や右心系もしくは自然弁感染性心内膜炎でバンコマイシンに対するルーチンのゲンタマイシン追加は推奨されない。しかし、人工弁の場合はゲンタマイシン及びリファンピンとの併用が推奨される(推奨度3)。
  1. 黄色ブドウ球菌血流感染症では、感染症医へのベッドサイドコンサルテーションが勧められる(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. MRSA感染症の治療ガイドライン 改訂版2019に基づき確認を行った。
  1. テジゾリドの記載を追記した。


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