慢性下気道感染症(DPB以外) :トップ    
監修: 藤田次郎 琉球大学医学部
石井寛 福岡大学病院 呼吸器内科

概要

疾患のポイント:
  1. 慢性下気道感染症とは、通常は菌が存在しない気管分岐部以下の気道に基礎疾患を有するために局所的な感染防御能が低下し、持続する細菌感染を認める状態である。
  1. 代表的疾患として、びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis、DPB)や気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease、COPD)のうち末梢気道病変優位型のもの、関節リウマチに伴う細気管支炎、線毛不動症候群/原発性線毛機能不全症(immotile cilia syndrome/primary ciliary dyskinesia)などが挙げられる。この稿では主に、気管支拡張症、COPDのうち末梢気道病変優位型のものを扱う。
 
診断: >詳細情報 
  1. 膿性痰を伴う湿性咳嗽が持続し、発熱や息切れの増悪などの急性症状がないときに、喀痰から好中球とともに有意な病原細菌が検出されれば、慢性下気道感染症の診断となる。(参照: びまん性汎細気管支炎(DPB)  に関しては別項の診断基準を参照)
  1. 背景疾患は主にCT所見により推定される(鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 気管支拡張症の胸部CT:<図表>
  1. 関節リウマチに伴う濾胞性細気管支炎の胸部X線写真および胸部CT:<図表>
  1. 嚢胞性線維症患者の副鼻腔CTおよび胸部CT:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 慢性下気道感染症の重症度分類については明確な定義はない。DPBの重症度分類(厚生省特定疾患呼吸器系疾患調査研究班びまん性肺疾患分科会平成10年度研究報告書)を参考にすれば、動脈血酸素分圧が59 Torr以下で咳や痰(1日50mL以上)が頻発し、MRC息切れスケール、Grade4~5の呼吸困難があれば重症と考えられる。動脈血酸素分圧が80 Torr以上で咳や痰は軽度で呼吸困難がなければ軽症…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

画像診断による原因疾患の推測
  1. 中葉・舌区症候群/副鼻腔気管支症候群(sinobronchial syndrome、SBS)や関節リウマチに伴う細気管支病変の有無、肺気腫病変や肺線維症の有無などを確認できる。
○ 1)は必須で、異常所見があれば2)を施行する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

COPDの気道感染症に対する管理
気管支拡張症の管理
陳旧性肺結核などによる慢性気道病変の管理
慢性下気道感染症における抗菌薬の選択 (A)
慢性下気道感染症における抗菌薬の選択 (B)
気管支拡張症の胸部CT
関節リウマチに伴う濾胞性細気管支炎の胸部X線写真および胸部CT
嚢胞性線維症患者の副鼻腔CTおよび胸部CT
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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