今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 石井寛 福岡大学筑紫病院 呼吸器内科

監修: 藤田次郎 琉球大学名誉教授、おもと会グループ特別顧問

著者校正/監修レビュー済:2022/04/27
参考ガイドライン:
  1. 日本呼吸器学会:「呼吸器感染症に関するガイドライン」成人気道感染症診療の基本的考え方(2003)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、新型コロナウイルスワクチンに関する加筆修正をおこなった。

概要・推奨   

  1. 慢性の湿性咳嗽を呈する患者、すなわち慢性下気道感染症と考えられる患者には、マクロライド少量長期療法が勧められる(SBS/DPB/気管支拡張症の場合)(推奨度1)
  1. 慢性の湿性咳嗽を呈する患者、すなわち慢性下気道感染症と考えられる患者には、マクロライド少量長期療法が勧められる(COPDの場合)(推奨度2)
  1. すべての慢性下気道感染症患者に新型コロナウイルスワクチンおよびインフルエンザワクチンの接種が勧められる(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 慢性下気道感染症とは、気管分岐部以下の気道に基礎疾患を有するために局所的な感染防御能が低下し、持続する細菌感染を認める状態である。
  1. 慢性気道感染症は、健常者にも起こり得る急性気道感染症が単に遷延した病態とは異なる。
  1. 代表的疾患として、びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis、DPB)や気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease、COPD)のうち末梢気道病変優位型のものなどがある。
  1. 欧米における慢性気道感染症の代表である常染色体劣性遺伝の嚢胞性線維症(cystic fibrosis、CF)や、原発性線毛機能不全症(primary ciliary dyskinesia)などもあり、これらはDPBと同様に慢性副鼻腔炎を合併する[1]
  1. DPBは近年減少し、わが国ではCOPDが重要となってきている。
問診・診察のポイント  
  1. 気道における細菌の定着が刺激となって粘液産生の亢進がみられる。疾患により程度の差はあるものの、慢性的に存在する痰を喀出するため、生理的な現象として慢性の湿性咳嗽を呈することが多い。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
石井寛 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:藤田次郎 : 特に申告事項無し[2024年]

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慢性下気道感染症(DPB以外)

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