反回神経麻痺 :トップ    
監修: 久保惠嗣 地方独立行政法人 長野県立病院機構
小泉知展 信州大学 医学部 包括的がん治療学教室

概要

疾患のポイント:
  1. 反回神経麻痺とは、声帯の機能を担っている反回神経の麻痺により、嗄声を来す症候群である。
  1. 嗄声を来した患者に対しては、喉頭鏡ないしは喉頭ファイバースコープを使って声帯を観察し、反回神経麻痺の有無を確認する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 喉頭ファイバースコープまたは軟性喉頭ファイバースコープにて発声時の声帯の動きを観察し、声帯の麻痺を確認すれば本症と診断できる。<図表>
 
原因評価: >詳細情報 
  1. 原因疾患は、迷走神経の走行を考慮し想定していく。中枢神経系疾患では、脳幹付近(延髄近傍)では頚静脈孔腫瘍などを、頚部では甲状腺腫瘍や頚部リンパ節腫瘍などを、胸部では、肺癌や縦隔腫瘍またはそのリンパ節転移などの胸部悪性腫瘍や胸部大動脈瘤などの圧迫を疑う。喉頭ファイバースコープ、頚部超音波検査や頚胸部CT検査を行う。 <図表><図表>
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 呼吸困難および誤嚥の有無を評価し、重症度および緊急性を推測する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 原因がまったく不明な場合もあれば、自然に改善する場合もあるので、悪性疾患が除外された場合には、しばらく経過をみることが治療法選択のうえで重要である。
  1. 悪性腫瘍が原因である場合には、その疾患に即した治療を行う。反回神経麻痺自体は改善することは期待できないことから、対症療法的に誤嚥予防や発声訓練(ボイス・トレーニング)を行う。
  1. 麻痺が起きて期間も短く、回復の可能性があればステロイド薬投与、末梢血管拡張薬、代謝賦活薬ビタミンB1投与などを行う。
  1. 一側反回神経麻痺で声門閉鎖不全があり、そのために嗄声、時に喀出困難や誤嚥があって、かつ麻痺の自然治癒が…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

反回神経麻痺の診断のための評価例
  1. 喉頭ファイバースコープにより声帯の動きを観察する。
○ 嗄声の場合、反回神経麻痺の有無、鑑別疾患のため下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

縦隔リンパ節腫大による左反回神経麻痺を来した症例(乳癌の縦隔内リンパ節転移)
嗄声の出現により発見された左上葉の肺癌(扁平上皮癌)の患者
著者校正/監修レビュー済
2016/09/02


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