過多月経 :トップ    
監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学
綾部琢哉 帝京大学医学部付属病院 産婦人科

概要

症状のポイント:
  1. 月経血量の正常値は1回の月経あたり37~43mlとされている。日本産科婦人科学会の定義では140ml以上を過多月経と呼ぶが、月経量を実際に測定して過多月経と診断することは困難である。
  1. 過多月経を症状により判断するうえで有用な問診内容として、パッド使用量や交換の頻度、凝血塊排出の有無があり、月経量が多いことで身体的、精神的、社会的にQOLが障害された状態を過多月経と判断する。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 大量の出血に対応して全身状態を保つため、静脈路を確保し細胞外液を補液する。止血薬(トラネキサム酸)、エストロゲン製剤を投与する。これらが無効であれば子宮内膜全面掻爬術、子宮動脈塞栓術、子宮内膜アブレーションを行う。 エビデンス 
  1. この際、バルーンつきのカテーテル(膀胱内留置カテーテルなど)を子宮内に留置してバルーンタンポナーデを行うと出血面を圧迫止血できるので、処置開始までの時間に余裕をもてる。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 器質的疾患のない過多月経にはエストロゲン・プロゲスチン配合薬・レボノルゲストレル徐放型子宮内システム・線溶活性亢進を抑制する薬剤・NSAIDsが有効である。 エビデンス   エビデンス   エビデンス   エビデンス 
  1. 鉄欠乏性貧血に対して、鉄剤を処方する。便潜血が陰性であり、鉄剤内服により貧血が改善した場合には、消化管出血による鉄欠乏性貧血や消化管からの鉄吸収障害を否定できる。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

鉄欠乏性貧血の原因が過多月経かどうか、判断が困難な場合の対応例
  1. 月経量を測定して診断することはせず、月経量を減少させて貧血が改善するかどうかを確認する。
  1. フェロミア錠でまず鉄欠乏性貧血を改善させる。
  1. トランサミン錠を月経中に投与し、月経量の減少をはかる。 エビデンス 
  1. プラノバール配合錠の周期的投与法により月経量減少をはかる。 エビデンス 
  1. リュープリン注射用キットにより月経をとめる。
  1. これらのいずれかにより月経量を調節し、その結果貧血の再燃が起きなければ、過多月経が鉄欠乏性貧血の原因であると強く示唆される。
○ 上記に従い1)に追加して2)~4)の投与を行い、評価に努める。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

鉄欠乏性貧血、過多月経の鑑別
過多月経の原因
著者校正/監修レビュー済
2018/08/10

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン婦人科外来編2017
に基づき薬剤情報を改訂。


詳細ナビ