妊娠高血圧症候群 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
山崎峰夫 医療法人社団純心会パルモア病院

概要

疾患のポイント:
  1. 妊娠高血圧症候群とは、かつて妊娠中毒症と称した浮腫・蛋白尿・高血圧を3主徴とする各種病態のなかで、高血圧を呈するものだけを取り出して新たに定義したものである。妊娠そのものが高血圧の原因であり、頻度は約5%と推定される。
  1. さまざまな続発症・合併症(<図表>)を来して母体に重大な健康障害を残す可能性がある。また、児については、胎内死亡、胎児発育遅延、胎児機能不全、新生児仮死、早産に伴う未熟、などに注意が必要である。
  1. 妊娠高血圧症候群の母体に生じる可能性のある続発症・合併症:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 血圧測定が診断の基本である。6時間以上間隔を開けて2回以上収縮期血圧140mmHg以上または 拡張期血圧90mmHg以上であれば、高血圧と診断できる。
  1. 妊娠高血圧症候群と鑑別が必要な高血圧症とその症候:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 蛋白尿の評価のため、テステープを用いた随時尿による蛋白尿スクリーニングを行う。ただし、1+では妊婦の蛋白尿の基準(300mg/日以上)を超えない、すなわち偽陽性のことが多い。2+以上をもって蛋白尿とする。
  1. 妊娠高血圧症候群は、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症、加重型妊娠高血圧腎症、子癇の4つの病型に分類される。妊娠高血圧に比べ妊娠高血圧腎症(加重型を含む)のほうが母および児の死亡または有害事象を起こす頻度が高い。
  1. 妊娠高血圧症候群の名称・定義・分類:<図表>
  1. 妊娠高血圧症候群患者において合併症・続発症の存在や切迫を示す症状:<図表>

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

病型の鑑別のための評価例
  1. 妊娠高血圧と妊娠高血圧腎症、高血圧合併妊娠と加重型妊娠高血圧腎症との鑑別には蛋白尿の有無を診断する必要がある。
  1. 24時間尿中蛋白排泄量300mg以上を確認するのが妊婦の蛋白尿診断の原則だが、随時尿中蛋白クレアチニン比0.3mg/mgCr以上をもって蛋白尿陽性としてもよい。
  1. 随時尿を用いた試験紙法による蛋白尿診断は、1+を陽性の基準とすれば、偽陽性が多い。また、高血圧を呈する妊婦では、逆に偽陰性もまれではない。
○ 妊婦が高血圧を呈する場合、病型鑑別のため1)を行うべきだが、2)で代用してもよい。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

妊娠高血圧症候群管理アルゴリズム
妊娠高血圧症候群の母体に生じる可能性のある続発症・合併症
妊娠高血圧症候群発症のリスク因子
妊娠高血圧症候群患者において合併症・続発症の存在や切迫を示す症状
妊娠高血圧症候群と鑑別が必要な二次性高血圧とその症候
HELLP症候群の診断基準
HELLP症候群の鑑別診断とその症候
妊娠高血圧症候群の名称・定義・分類
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26


詳細ナビ