常位胎盤早期剥離 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
三宅秀彦 お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科/東京女子医科大学 遺伝子医療センター(非常勤)

概要

疾患のポイント:
  1. 常位胎盤早期剝離とは、子宮体部に付着している胎盤が、妊娠中または分娩経過中の胎児娩出以前に、子宮より剝離するものをいう。主な症状は、出血、腹痛、子宮収縮、子宮過緊張、子宮板状硬、胎児機能不全~胎児死亡である。妊娠後半期に性器出血、下腹痛、子宮収縮に異常胎児心拍パターンを認めた場合は常位胎盤早期剝離を疑う。
  1. 発症頻度は、全妊娠の0.5~1%と考えられている。
  1. 初期症状(出血や腹痛)に関する情報を、妊娠30週頃までにすべての妊婦に提供する。
  1. 妊娠高血圧症候群、慢性高血圧、常位胎盤早期剝離の既往、切迫早産、腹部外傷は危険因子である。
  1. 分娩後は弛緩出血のハイリスクであり、子宮摘出を必要とすることがある。
  1. 常位胎盤早期剝離のリスク因子:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 腹部の触診で子宮の板状硬、子宮収縮を確認する。
  1. 超音波検査で胎盤肥厚などの所見を認めた場合には正しく診断している可能性が高いが、これらの所見がなくても疾患を否定することはできない。
  1. ドプラー法~分娩監視装置、超音波断層法により胎児の生存の確認を行う。
  1. 超音波断層法所見の分類(Jaffeの分類,1981):<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 周産期死亡率は1,000分娩あたり119であり、母体死亡の原因ともなり、母児とも死亡に至る可能性の高いハイリスク疾患である。
  1. 播種性血管内凝固症候群(DIC)をきわめて合併しやすく、児生存例の10%、胎児死亡例では40%に凝固障害が合併する。
  1. 産科DICスコア:<図表>
  1. 血腫の分類:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. 性器出血、下腹痛、子宮収縮に異常胎児心拍パターンを認めた場合は常位胎盤早期剝離を疑う。
  1. また、胎盤の肥厚、胎盤辺縁の異常などが早期剝離の超音波所見である。
○ 超音波断層で所見を認めない場合でも否定できない。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

常位胎盤早期剝離に対する対応
常位胎盤早期剝離のリスク因子
血腫の分類
超音波断層法所見の分類(Jaffeの分類,1981)
重症度分類
産科DICスコア
常位胎盤早期剝離
超音波所見
溢血斑(Couvelaire uterus)
著者校正/監修レビュー済
2018/05/23


詳細ナビ