羊水塞栓症 :トップ    
監修: 金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科
金山尚裕 浜松医科大学 産婦人科

概要

疾患のポイント:
  1. 羊水塞栓症とは、羊水が母体血中へ流入することにより生じる病態で、流入した羊水によりアナフィラクトイド反応が発生し補体、凝固、線溶系、キニン系が活性化し播種性血管内凝固症候群(DIC)、子宮弛緩症となる状態である。また、羊水が母体血中に流入すると子宮・血管の平滑筋攣縮により子宮胎盤循環不全が発生し急激な胎児機能不全となる。
  1. 症状は、分娩周辺期の特に破水後の呼吸困難、胸痛、意識消失、ショック症状などの心肺虚脱、分娩後のサラサラした出血および弛緩出血、原因不明の胎児機能不全、原因不明の強度の下腹痛などがある。
  1. 羊水塞栓症の分類:<図表>
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 上記の症状を認めた場合に羊水塞栓症を想起する。
  1. 以下の3つを満たすものを臨床的羊水塞栓症と診断する。この診断基準はあくまで早期に治療を行うための臨床診断であり、この基準を満たすものの中には羊水塞栓症以外のものも含まれる可能性はある。
  1. 1: 妊娠中または分娩後12時間以内に発症した場合
  1. 2: 下記に示した症状・疾患 (1つまたはそれ以上でも可)に対して、集中的な医学治療が行われた場合
  1. 1:心停止
  1. 2:分娩後2時間以内の原因不明の大量出血(1,500mL以上)
  1. 3:DIC(<図表>
  1. 4:呼吸不全
  1. 3: 観察された所見や症状が他の疾患で説明できない場合
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 羊水塞栓症はどのような発症形態でも重篤である。呼吸不全や心停止が初発症状の場合は、救命が困難である。
  1. 死亡率は最近の報告では20~40%との報告が多い。
 
治療: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

評価例
  1. 臨床的羊水塞栓症の診断に該当するか判断する。
  1. 妊娠中または分娩後12時間以内に発症した場合
  1. 下記に示した症状・疾患 (1つまたはそれ以上でも可)に対して、集中的な医学治療が行われた場合
  1. 心停止
  1. 分娩後2時間以内の原因不明の大量出血(1,500mL以上)
  1. DIC(産科DICスコア<図表>
  1. 呼吸不全
  1. 観察された所見や症状が他の疾患で説明できない場合
  1. 以上の3つを満たすものを臨床的羊水塞栓症と診断する。
  1. CBC、フィブリノゲン、FDP、D-dimerを早期に測定する。
  1. 産科DICスコアを算出する。(産科DICスコア<図表>
○ 羊水塞栓症を疑った場合は下記の1)-7)の評価を行う。必要に応じて8)を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

羊水塞栓症の診断フローチャート
羊水塞栓症に合併しやすい病態
羊水塞栓症の分類
羊水塞栓症によるNRFS発生機序
塞栓タイプの羊水塞栓症とアナフィラキシータイプの羊水塞栓症の肺組織像の差異
羊水塞栓症の子宮組織像
羊水塞栓症の初期対応
羊水塞栓症の診断分類
子宮型羊水塞栓症
著者校正/監修レビュー済
2018/05/10


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