口腔感染症と他臓器への影響 :トップ    
監修: 近津大地 東京医科大学
米原啓之 生木俊輔 日本大学 歯学部臨床医学講座

概要

ポイント:
  1. 口腔感染症とは病原性微生物によって引き起こされる感染症である。この項では、主に口腔内で一番多くみられる歯性感染症について述べる。
  1. 口腔感染症の多くは、歯垢、粘膜表面、歯肉溝内などに存在する口腔内常在菌によって引き起こされる。
  1. これらの細菌は、好気性グラム陽性球菌、嫌気性グラム陽性球菌、嫌気性グラム陰性桿菌であり、う蝕、歯肉炎、歯周炎など一般歯科疾患の原因菌である。
  1. 原因菌として好気性菌の主体はStreptococcus milleriグループである、嫌気性グラム陽性球菌が約65%の症例にみられ、それらを占めるのは嫌気性レンサ球菌とPeptostreptococcusである。また、口腔においてはグラム陰性嫌気性桿菌が3/4の症例で検出される、それらを占めるのは、PrevotellaとPorphyromonas spp.がそれらの約75%を占め、Fusobacteriumが50%以上に検出される。
  1. 口腔感染症は他臓器に影響を与えるが、歯の支持組織である顎骨や歯肉、またさらにその周囲にある筋組織、筋組織と筋組織の間に存在する隙や上顎洞等の口腔周囲局所に影響を与える場合と、感染性心内膜炎に代表される血流を介した遠隔臓器に影響を与える場合がある。
 
口腔周囲局所に影響を与える場合:
  1. 歯周囲の局所に存在する組織に影響を与える場合、一般的に2つの経路によって感染が拡がっていく。すなわち、感染根管から根尖周囲への細菌の侵入して行く経路と歯周ポケットからの細菌の侵入する経路(いわゆる歯周病)である。
  1. また、歯性上顎洞炎は、上顎臼歯部の根尖病巣から上顎洞への炎症の波及が原因であり、解剖学的形態から上顎臼歯部が上顎洞に近接していることが多いために発生する。主に片側性である。
  1. また、特異性炎とは、特定の病原微生物の感染に対する、生体側の組織反応によって、それぞれの疾患に特有の結節状の肉芽腫性変化を生じる炎症のことである。以下、各論について執筆する。口腔カンジダ症、顎放線菌症などが特異性炎の代表疾患である。
  1. 口腔感染症の重症度の判定  >詳細情報 

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著者校正/監修レビュー済
2018/06/21