ムーコル副鼻腔炎、肺感染症 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
木村宗芳1) 荒岡秀樹2) 1)虎の門病院 臨床感染症部臨床感染症科... 2)虎の門病院 臨床感染症部

概要

疾患のポイント:
  1. ムーコル症とは、糸状真菌であるムーコル目(Mucorales)に属するいくつかの菌種(画像)による予後不良な感染症であり、早期に診断し治療することが最重要となる。本症の診断は感染が疑われる組織(副鼻腔や肺の組織)を生検し、病理検査や培養検査などを用いて診断する。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. ムーコル感染症の診断は難しいとされる。リスク因子と病歴から本症を疑った際には可能な限り早期に診断的手技(副鼻腔検査や気管支鏡検査など)を用いて感染が疑われる組織の生検を実施し、病理組織での診断および組織培養、組織のPCR検査などによる診断を試みることが望ましい。 エビデンス   エビデンス 
  1. なお、ムーコル感染症のリスク因子として、造血幹細胞移植、固形臓器移植、血液悪性疾患、コントロール不良な糖尿病(特にケトアシドーシスを来している状態)、鉄過剰状態が挙げられる。
  1. 感度ははっきりしないが、副鼻腔内容の吸引液の培養・PCR検査や気管支肺胞洗浄液の培養・PCR検査なども診断の補助として用いられることがある。 エビデンス 
  1. ムーコル副鼻腔炎の診断:
  1. CTやMRIなどで病変を確認し、組織を生検し、病理検査、培養検査(これらに加えて最近はPCR法も用いられることがある)にて診断する。画像所見上、本症に特徴的な所見は報告されていない。
  1. 肺ムーコル症の診断:
  1. 肺ムーコル症のCT所見としては、ハロサイン(Halo sign)やair-crescent signなど侵襲性肺アスペルギルス症と同様の所見を呈することがあるとされる。CTやMRIなどで病変を確認し、組織を生検し、病理検査、培養検査(これらに加えて最近はPCR法も用いられることがある)にて診断する。
 
重症度・予後: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

副鼻腔ムーコル症の診断
  1. まずは、本症のリスク因子を持つ患者に副鼻腔炎が疑われた際に本症を鑑別に挙げる。
  1. まずは、CTやMRIなどで病変を確認する。しかし、画像所見上、本症に特徴的な所見は報告されていない。
  1. そのため、本症の確定診断は、副鼻腔内の感染が疑われる組織を生検し、病理検査、培養検査(これらに加えて最近はPCR法も用いられることがある)を用いて行う。
  1. 著明な血小板低下や凝固障害を認めるなどの理由から生検が困難な場合では、副鼻腔内容の吸引液を採取し、病理検査や培養検査を実施することで診断の参考とすることがある。
○ 本症を疑ったときは、下記の画像診断および検体を採取する。

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肺ムーコル症の診断と初期治療まで
逆ハロサイン(Reversed halo sign)を呈した肺ムーコル症の胸部CT
肺の組織検体から培養されたCunninghamella bertholletiae (ムーコル症を来す糸状真菌の一種)。
著者校正済:2016/07/21
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