上腕骨内側上顆骨折 :トップ    
監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター
田崎憲一 荻窪病院 整形外科・手の外科

概要

疾患のポイント:
  1. 上腕骨内側上顆骨折とは、前腕屈筋・回内筋の起始部であり、肘関節内側側副靱帯起始部でもある上腕骨内側上顆の骨折である。<図表>
  1. 肘伸展位で転倒して、肘関節の外反強制を受け、付着する筋腱、靱帯に牽引されて内側上顆が裂離する機序が多く、肘関節の脱臼を合併することが多い理由である。
  1. 脱臼例では骨片が関節内に陥入することがある。
  1. 小児肘関節骨折の9~20%、平均10%を占めるといわれる、骨端線閉鎖前後の小学校高学年から中学生(9~15歳)に多く発生する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 肘関節内側の腫脹、皮下出血、圧痛などの臨床所見と単純X線写真で上腕骨内側上顆の骨折を確認して診断する。
  1. X線写真で内側不安定性を描出する方法としてgravity stress viewという撮影法がある。
  1. 転位が少ないときは骨折が不明瞭なので斜位撮影を追加し、さらにCT撮影を要することもある。
  1. 年少児では内側上顆の骨端核が小さくX線で見にくい。
  1. 脱臼を伴うものでは約20%に骨片が関節内に取り残されていてX線で見えないことがある。
 
重症度・予後評価: >詳細情報 
  1. 重症度分類はWatson-Jones分類(<図表>)が明瞭で、内側上顆の骨折片の転位のほとんどないType Iから、内側上顆の骨片が関節裂隙に陥入し肘関節後側方脱臼を伴うType IVまで分けられる。
  1. 新鮮外傷であればすべてのTypeで手術成績は良好である。
  1. Watson-Jones 分類:<図表>
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. X線撮影時に伸展制限のある肘正面は撮りにくく、上腕に合わせた正面と前腕に合わせた正面の2枚を撮影する。骨片の転位がわかりにくい例ではさらに両側斜位を追加する。
  1. 骨折の転位があれば手術適応なので、手術までの待機期間はシャワーを浴びるときのみシーネを外して上肢を洗ってもよい。
○ 肘の伸展制限があるとき、また他医で脱臼整復された症例では1)の撮影を行い、内・外側上顆の骨片の存在、位置を確認する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

治療体系(アルゴリズム)
上腕骨内側上顆の解剖
Watson-Jones 分類
Jeffery型損傷
肘関節脱臼に伴うType III
肘関節脱臼に伴うType IV
Type IIとKirschner鋼線による観血的整復固定術(ORIF)
鋼線締結法を追加したORIF
上腕骨内顆骨折1
上腕骨内顆骨折2
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


  • 整形 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ