マイコプラズマ肺炎 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
櫻井隆之 NTT東日本関東病院 感染対策推進室長/総合診療内科主任医長

概要

疾患のポイント:
  1. マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)により引き起こされる肺炎である。軽症であることが多く、非定型肺炎または異型肺炎の一部である。
  1. 頭痛や咽頭痛、鼻汁や関節痛、消化器症状など多彩な症状がみられる。治療後も強固な咳嗽が1カ月程度残ることが多い。
  1. 肺炎球菌肺炎などほかの細菌性肺炎、インフルエンザ肺炎を除外し、強固な咳嗽や数週間以内の家族歴のある市中肺炎に遭遇した場合にマイコプラズマ肺炎を強く疑う。
  1. 潜伏期間は2~3週間で、発熱、頭痛などで発症し数日で強固な咳嗽が始まる。肺炎といえども軽症が多い。
  1. ヒト-ヒト感染で、感染者の気道粘膜の分泌物による飛沫感染の形式をとる。感染症法では5類疾患に定められ、基幹定点医療機関から報告を受けている。学校保健安全法では、三種と定められており、出席停止の期間の基準は、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」となっている。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 迅速で特異的な検査は存在せず、マイコプラズマとの接触歴、病歴、身体所見、胸部X線所見、咽頭・喀痰、血清検査などを総合的に判断して診断を行う。
  1. マイコプラズマ肺炎アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 問診:
  1. 診断には、日本呼吸器学会「成人市中肺炎ガイドライン」に列挙された「非定型肺炎を疑うべき6項目(4項目以上で陽性)」が参考になるが、必ずしもマイコプラズマのみを疑わせるわけではない(感度78%、特異度90%)。
  1. 1:年齢60歳未満
  1. 2:基礎疾患がないか、または軽微
  1. 3:強固な咳嗽
  1. 4:胸部聴診上所見が乏しい
  1. 5:喀痰なし、または迅速診断法で原因菌が同定されない
  1. 6:末梢血WBC 10,000/ul未満
  1. 検査:
  1. 検査としては、LAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法陽性や、PA法・CF法などがある。迅速性や感度・特異度の面から決定的な診断方法はない。以前はPA…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

マイコプラズマ肺炎を疑った患者での初診時の検査例
  1. 肝機能上昇やLDH上昇を伴う症例があり、特に劇症型では著しい肝機能上昇が認められるため採血で確認する。
  1. 迅速性はないがペア血清での抗体価測定、喀痰やぬぐい液によるLAMP法で診断確定を目指す。ほかの細菌性肺炎、インフルエンザ肺炎を除外する。ペア血清では、初診時に採血後、2~4週間程度間隔を空けてから再度採血して抗体価を2回測定する。
○ 症状、鑑別疾患に基づき、下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

マイコプラズマ肺炎アルゴリズム
一般細菌性肺炎と非定型肺炎の区別
マイコプラズマ肺炎の胸部X線
マイコプラズマ肺炎の胸部CT
著者校正済:2017/01/20
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