今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 原田壮平 東邦大学医学部 微生物・感染症学講座

監修: 具芳明 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 統合臨床感染症学分野

著者校正/監修レビュー済:2024/01/10
参考ガイドライン:
  1. 日本結核病学会(現日本結核・非結核性抗酸菌症学会):結核診療ガイド. 2018
  1. Official American Thoracic Society/Infectious Diseases Society of America/Centers for Disease Control and Prevention Clinical Practice Guidelines: Diagnosis of Tuberculosis in Adults and Children. Clin Infect Dis. 2017;64(2):111-115.
  1. Official American Thoracic Society/Centers for Disease Control and Prevention/Infectious Diseases Society of America Clinical Practice Guidelines: Treatment of Drug-Susceptible Tuberculosis. Clin Infect Dis. 2016 Oct 1;63(7):e147-e195.
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、肺結核に対するrifapentine、モキシフロキサシン、イソニアジド、ピラジナミドの4剤を用いた4カ月治療の成績について記載を追加した。ただし、未承認薬を含むため日本ではこの治療は実施できない。
  1. 第3相オープンラベル国際ランダム化比較試験で、新規に肺結核と診断された12歳以上の肺結核患者(イソニアジド、リファンピシン、キノロンに感受性あり)を対象とした4剤を用いた4カ月治療では、6カ月標準治療に対して、ランダム化12カ月後における結核非罹患生存のプライマリ・エンドポイントの達成において非劣性の成績が示された(Dorman SE, et al. N Engl J Med. 2021 May 6;384(18):1705-1718.)。

概要・推奨   

  1. 肺結核とは結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされる感染症である。症状は発熱、盗汗、体重減少、咳嗽、喀痰増加(ときに血痰)などがみられる。
  1. 肺結核は空気感染により周囲の者に感染し得るため、感染性の高い患者においては隔離を目的とした入院を勧告する必要がある。
  1. 診断は喀痰培養検査によるM. tuberculosisの検出がゴールドスタンダードである。
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  1. イソニアジドを使用する患者で神経障害の副作用発現のリスクが高い患者ではビタミンB6の補充を行うことが推奨される(推奨度2)

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
原田壮平 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:具芳明 : 研究費・助成金など(MSD(株))[2024年]

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