百日咳 :トップ    
監修: 具芳明 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター
井本一也 済生会横浜市東部病院 総合内科

概要

疾患のポイント:
  1. 百日咳とは、百日咳菌(Bordetella pertussis)による急性感染症で、長期にわたる激しい咳発作の特徴的な疾患である。なお、ワクチンは10年程度しか効果が続かないことがわかっており、近年思春期、成人期以降の発症が目立ってきている。しかし、多くは症状が非特異的であることが多く、診断は困難である。長期に続く咳をみたら鑑別に挙げることが必要である。 エビデンス 
  1. 百日咳は、ヒト-ヒト感染で、感染者の気道粘膜の分泌物による飛沫感染の形式をとる。感染後、通常7~10日の潜伏期間を経て、1~2週間の非特異的な上気道感染症状が主体のカタル期、特徴的な発作性の咳こみ、吸気性笛声(whoop)、咳き込み後の嘔吐(post-tussive emesis)が出現し2~3カ月持続する発作期、それらの症状が1~2週にわたって次第に軽快していく回復期を経て治癒する。全体的な経過としては3カ月程度となることが多い。 エビデンス 
  1. 重症化する乳幼児への伝染が最も恐れる事態であり、疑わしい患者は子どものいる環境からは隔離し、マクロライド系抗菌薬による治療を行なう。
  1. 百日咳は、感染症法の5類感染症に分類され、小児科定点医療機関では、週単位(月~日)で最寄りの保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「特有の咳が消失するまで、または五日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで」を出席停止の期間の基準としている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 鼻咽頭の拭い液の培養が診断のゴールドスタンダードだが感度がよくないところが問題となる。そこで血清学的診断、遺伝子による診断を併用しているが、血清学的、遺伝子的に確実な診断基準はなく、最終的に臨床判断に頼らざるを得ないことが多い。なお、PT抗体の検出は特異度が高く、最も一般的な血清診断法とされている。
  1. 咳症状発症からの時期による適切な検査について(単位は週):<図表>
  1. 成人の遷延する咳嗽で百日咳を考える場合の診療アルゴリズム案:アルゴリズム
 
重症度・予後: >…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

百日咳と考えられるときの治療薬剤、あるいは曝露後予防
  1. 第1選択薬はマクロライド系抗菌薬で、副作用、服用のしやすさからアジスロマイシンを推奨した。
  1. 第2選択薬はST合剤である。
○治療・暴露後予防として1)または2)を用いる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

成人の遷延する咳嗽で百日咳を考える場合の診療アルゴリズム案
咳症状発症からの時期による適切な検査について(単位は週)
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27


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