脊椎外傷、骨折 :トップ    
監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室
湯川泰紹 公立大学法人 和歌山県立医科大学 整形外科学教室

概要

疾患のポイント:
  1. 脊椎外傷とは外傷後に生じた脊椎の骨折、亜脱臼を含む脱臼もしくは脱臼骨折である。上位頚椎では特殊な損傷型があり、後頭骨環椎間の脱臼(多くは致命的)、環椎のジェファーソン骨折、軸椎の歯突起骨折、ハングマン骨折、そして環軸椎亜脱臼などがあり、それぞれ見逃されやすいので注意を要する。
  1. 脊椎の損傷が重篤となると、体幹支持性の喪失と内包する神経要素の損傷という2つの事態が生じる。(脊椎損傷と脊髄損傷:<図表>
  1. 軸椎(第2頚椎)ハングマン骨折の分類:<図表>
  1. 軸椎(第2頚椎)歯突起骨折の分類:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 高齢者の胸腰椎圧迫骨折を除けば明らかな外傷後に発生し、局所の疼痛とX線、CTなどの画像所見から診断される。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 感覚障害領域の確認、麻痺の有無、運動障害領域の確認。ASIA score記入表でのkey muscle、key sensory pointを用いて筋力、感覚障害を評価することで神経障害の程度が標準化でき、変化を観察することも容易になる。
  1. X線、CTで損傷型を総合的に判断する。頚椎ではAllen-Ferguson分類が用いられることが多い。胸腰椎ではDenisの分類またはAOの分類がよく使用される。
  1. 損傷が軽微で保存療法が選択される場合には、一般に経過は良好であることが多い。また、不安定性が強く手術治療が選択される場合でも、適切な再建固定術が行われれば経過は良好である。ただし、脊髄損傷を合併すれば障害は重篤で、長期の入院リハビリテーションを要し後遺障害も著しい。
  1. ASIA score記入表:<図表>
  1. Allen & Ferguson分類:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための評価例
  1. ほぼ全例にX線撮影を行う。不安定性の評価は機能撮影を用いて行う。上位頚椎、頚胸椎移行部や胸腰椎移行部など他臓器との重なりでX線が評価しづらい場合には、CT撮影をためらわずに行う。環軸椎など上位頚椎損傷では、3Dイメージを再構成してもらうと損傷型が理解しやすい。神経症状(感覚障害、脱力、麻痺)がある場合にはMRI検査は必須である。
○ 1)、3)、4)の所見を併せて評価する。2)は通常、ルーチン検査としては行わない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

頚椎損傷の治療選択アルゴリズム
胸腰椎損傷の治療選択アルゴリズム
脊椎晒骨模型
脊椎損傷と脊髄損傷
ASIA score記入表
頚胸椎MRI T2矢状断像
Allen & Ferguson分類
胸腰椎損傷に対するAOSpine分類とその発生頻度
TLICSによる手術適応(胸腰椎レベル)
CTアンギオ(A-P像)
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30


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