洞不全症候群 :トップ    
監修: 山下武志 心臓血管研究所付属病院
西原崇創 東京医科大学八王子医療センター 循環器内科

概要

疾患のポイント:
  1. 洞不全症候群(sick sinus syndrome、SSS)とは、洞房結節の機能不全が原因で、失神やめまい、ふらつき、倦怠感などの症状を来す疾患である。
  1. 罹患者は、主に高齢者(平均70歳程度)で、やや女性に多く、他の合併疾患を有することが多い。特に、心房細動と心房粗動などの心房性頻脈性不整脈の合併頻度が高い。

診断: >詳細情報 
  1. 診断には、失神、めまい、ふらつき、倦怠感などの症状と心電図の徐脈所見との一致を確認することが必要である。
  1. 心房細動合併例では頻脈停止後に心停止を伴う(徐脈頻脈症候群)ため、動悸後のふらつきやめまいなどの症状は、診断上の手掛かりになる。
  1. 安静時心電図、運動負荷心電図、ホルター心電図、イベントレコーダーのみでは診断が不十分である場合、頚動脈洞マッサージ、電気生理学的検査、植込み型ループレコーダーを考慮する。 エビデンス 
  1. 特に、繰り返す失神などでは、洞不全症候群の診断のみならず失神の原因精査の必要があり、入院後、心電図監視下で経過観察を行う。
 
基礎疾患の評価:
  1. 洞不全症候群は基礎心疾患(甲状腺機能低下症、低酸素血症、酸血症、高カリウム血症など)から二次的に合併するものもあり、診断と精査は必要に応じて追加する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 予後は、合併疾患および基礎心疾患や心房細動など頻脈性不整脈の合併に依存する。
  1. また、予後評価をした発表の1つでは、45歳以上の35人の予後を最長4年間観察し、43%で失神や心血管イベントの合併を認めなかった。これは、徐脈そのものに関しては予後が比較的良好であることを示している。 エビデンス 
 
治療: >詳細情報 
  1. 二次的原因への対応:
  1. 副交感神経刺激薬や交感神経抑制薬※の内服歴を確認し、可能な限り中止する。
    <…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価例
  1. 初診時では安静時心電図にて徐脈の関与の可能性を判断する。
  1. 一般血液検査および胸部X線、心エコー検査では器質的な問題や薬物の関与を初めとする二次的な原因を否定する。
○ 二次的な原因を否定するため下記を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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洞不全症候群(徐脈頻脈症候群)の心電図
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26