今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 椎野憲二 名古屋記念病院 循環器内科

監修: 山中克郎 諏訪中央病院 総合診療科

著者校正/監修レビュー済:2016/09/02
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 心内血栓において重要なことは形成された血栓が血管を通して塞栓源となり種々の臓器に虚血性変化や梗塞を起こすことである(心原性塞栓症)。
  1. 心内に血栓が形成されても、痛みや不快感などの自覚症状はまったく認めないので、起こり得る病態からみつけにくいことが重要である。頻度は7%程度との報告もある。
 
緊急対応:
  1. 緊急性を要するのは血栓による何らかの塞栓症が生じたときである。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 血栓形成にはVirchowが提唱した3徴である以下が関連していると考えられる。
  1. 血管内皮細胞障害
  1. 局所での血流のうっ滞
  1. 凝固能亢進
  1. 心内血栓において最も注意を要することは形成された血栓が血管を通して塞栓源となり、種々の臓器に虚血性変化や梗塞などの心原性塞栓症を起こすことである。
  1. 通常、心内に血栓が形成されても痛みや不快感などの自覚症状はまったく認めないので、起こり得る病態からみつけにくい。特に高齢者の心房細動患者では血流のうっ滞から左心房内に血栓を生じやすく、心原性脳梗塞の原因になりやすい。米国では毎年約50万例の脳梗塞患者のうち15~20%が心原性塞栓症といわれている。 エビデンス 
  1. 心原性塞栓症は、実臨床では患者のQOLを著しく低下させ得るため、早期発見、治療介入が必要である。
問診・診察のポイント  
  1. 心内血栓の形成には心疾患の合併をほとんどのケースで認めるため、まずは基本であるバイタルサインのチェックを行う。

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最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
椎野憲二 : 未申告[2024年]
監修:山中克郎 : 特に申告事項無し[2024年]

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心臓血栓(エコー)

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