視神経脊髄炎

著者: 毛塚剛司 毛塚眼科医院

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正/監修レビュー済:2018/02/28

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 視神経脊髄炎は、重症の視神経炎に加え横断性脊髄炎を来す、多発性硬化症に類似する病変である。アストロサイト上のアクアポリン4(AQP4)が標的となり、発症することが多いが、他のメカニズムも介在する。
  1. 視神経脊髄炎のうち、視神経病変は視神経から視交叉~視索にまで長大に及んでいることが多く、非可逆的な視力障害、視野障害などの視機能異常を来す。脊髄病変は、3椎体以上の長い範囲にわたることが多く、視神経病変と同様、非可逆的な経過をたどることが多い。
  1. 視神経脊髄炎の病態形成には、血清抗AQP4抗体が大きく関与していると考えられ、通常のステロイド薬大量療法が無効であることが多い。このため、ステロイド抵抗性の視神経炎や脊髄炎と診断された場合は、血清抗AQP4抗体を測定し、陽性ならば当該疾患を強く疑わなければならない。
  1. 最近、視神経炎と脊髄炎を来す典型的なNMO(Neuromyelitis optica)ではないが、再発性で長大な視神経傷害のみに留まる症例や脊髄炎のみに留まる症例も報告され始め、NMO関連疾患(NMO spectrum disorder: NMOSD)と分類されるようになった。
  1. ステロイドパルス療法が無効であった視神経脊髄炎の治療には、血液浄化療法もしくは免疫グロブリン(IVIg)大量静注療法が用いられる。後療法として、低濃度のステロイド薬内服療法および免疫抑制剤の投与が必須である。
 
診断・原因・病期分類 >詳細情報 
  1. 視神経脊髄炎の診断には、視神経炎と脊髄炎に分けられる。
  1. 1)視神経炎の診断
  1. 視交叉から視索にまで病変が及ぶことがあるため、視野検査で中心暗点、盲点中心暗点、両耳側半盲、同名半盲など多彩な視野異常を来す。限界フリッカ(CFF)値が低下し、多くは著明な視力低下を来す。病状が進むと視覚誘発電位(VEP)も低下する。T2脂肪抑制やSTIR画像で視神経が高信号となり、さらにT1造影MRIで視神経を中心に造影効果がみられる。
  1. 2)脊髄炎の診断
  1. 視機能障害に伴って手足がしびれ…
症例の眼底像
 
症例のOCT所見(網膜神経節細胞層複合体)
 
症例のOCT所見(視神経乳頭周囲網膜層厚)
 
症例の視野所見
 
症例の眼窩MRI像(T1造影冠状断)
 
症例の脊髄MRI像(矢状断)
 
症例の脊髄MRI像(水平断)
 
症例の治療後視野所見
 
視神経炎(矯正視力0.3以下)の治療プロトコール
 
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

代表的な検査例
  1. 視神経脊髄炎の評価には、血清抗AQP4抗体測定が重要である。血清抗AQP4抗体陽性例すべてが視神経脊髄炎ではないが、抗体陽性によりステロイドパルス療法に続く血液浄化療法への道筋ができる。
  1. 2強調画像脂肪抑制造影MRIもしくはSTIR法、脊髄では矢状断や水平断をとる。造影効果が見られる場合は、視神経炎または脊髄炎の活動性が高く、治療効果が高いと考える。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)


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