卵巣癌(進行期):Ⅲ~Ⅳ期

著者: 佐藤豊実 筑波大学医学医療系産科婦人科学

監修: 青木大輔 慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

著者校正/監修レビュー済:2018/09/20

概要・推奨  

疾患のポイント: >詳細情報 
  1. 卵巣悪性腫瘍は上皮性(以下、卵巣癌)と非上皮性に分かれる。およそ90%を占める卵巣癌の主な組織型は漿液性癌、明細胞癌、類内膜癌、粘液性癌である。非上皮性悪性腫瘍は胚細胞腫瘍、性索間質性腫瘍などに分けられるが、本稿では悪性腫瘍として遭遇する機会が比較的多い卵巣癌を取り上げる。
  1. 卵巣癌の罹患者数は年々増加しており、現在は年間約10,000人が発症しそのほぼ半数がIII/IV期の進行癌である。
  1. 卵管癌および腹膜癌は、現時点では診断方法、進行期分類、治療戦略などが同じであり、卵巣癌を参照に診療する。
 
症状:
  1. III・IV期で受診する患者の自覚症状の多くは、腹水あるいは腫瘍そのものによる腹部膨満感である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 経腟・経腹超音波(<図表>)、CT、MRIなど画像診断に腫瘍マーカーを組み合わせて診断を行う。最終診断は病理学的に決定される。
 
ステージング・合併症評価: >詳細情報 
  1. 手術進行期分類が採用されている。現在の進行期分類は2014年から採用となった。
  1. 静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism: VTE)の合併頻度が高く、治療前の評価を考慮する。
 
治療: >詳細情報 
  1. 手術と化学療法の組み合わせで行われる。
  1. 最初に、腫瘍の完全摘出を目的に手術が行われる。
  1. 進行癌では腫瘍の拡がりあるいは癌の進行に伴うperformance status(PS)の悪化などにより術前化学療法から治療が開始される場合がある。
  1. 近い将来、分子標的薬、PARP阻害剤[1]<…
卵巣癌 III期の模式図
 
卵巣癌 IV期の模式図
 
卵巣癌大網転移
 
卵巣癌超音波像
 
III/IV期卵巣癌の治療
 
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。
 
関連論文:
img  1:  Olaparib tablets as maintenance therapy in patients with platinum-sensitive, relapsed ovarian cancer and a BRCA1/2 mutation (SOLO2/ENGOT-Ov21): a double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3 trial.
 
  Lancet Oncol. 2017 Sep;18(9):1274-1284. doi: 10.1016/S1・・・
img  2:  Reproductive and sexual function after platinum-based chemotherapy in long-term ovarian germ cell tumor survivors: a Gynecologic Oncology Group Study.
 
  J Clin Oncol. 2007 Jul 1;25(19):2792-7. doi: 10.1200/JC・・・
img  3:  High incidence of silent venous thromboembolism before treatment in ovarian cancer.
 
  Br J Cancer. 2007 Oct 22;97(8):1053-7. doi: 10.1038/sj.・・・
img  4:  Survival effect of maximal cytoreductive surgery for advanced ovarian carcinoma during the platinum era: a meta-analysis.
 
  J Clin Oncol. 2002 Mar 1;20(5):1248-59. doi: 10.1200/JC・・・
薬剤監修について:
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