胃ポリープ :トップ    
監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院
大草敏史 東京慈恵会医科大学附属柏病院 消化器・肝臓内科

概要

疾患のポイント:
  1. 胃ポリープとは、胃にできた隆起性病変のことであり、過形成ポリープや腺腫などのさまざまな組織型を含む。
  1. 胃ポリープの罹患頻度は0.5~2%程度とまれであるが、健診の上部消化管造影検査で発見されることが多い。
  1. 胃ポリープは胃底腺ポリープ(fundic gland polyp)と胃過形成性ポリープ(hyperplastic polyp)に大別される。
  1. 一般に無症状である。胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがあるが、併有する慢性萎縮性胃炎または機能的な異常によるものが多い。
 
内視鏡所見: >詳細情報 
  1. 上部消化管造影検査では胃ポリープは円形の透亮像として認められる。
  1. 胃底腺ポリープは、胃体部に多発することが多く、白色(正色調)のポリープで、背景粘膜が萎縮性胃炎がない場合に想起する。
  1. 胃過形成性ポリープは、「腐れ苺」様と称される発赤調で、表面にはびらんや白苔を伴うポリープで、背景粘膜が萎縮性胃炎がある場合に想起する。

診断: >詳細情報 
  1. 診断は粘膜生検を行い、病理学的診断により確定診断する。
 
胃底腺ポリープの治療・フォローアップ:
  1. 胃底腺ポリープは原則的にフォローアップ・治療の必要はない。
 
胃過形成性ポリープの治療・フォローアップ:アルゴリズム
  1. 胃過形成性ポリープはH. pylori(ピロリ菌)感染が76~100%と高率であり、除菌療法により約80%が消失する。したがって、癌化のないH. pylori感染陽性の胃過形成性ポリープは除菌療法を選ぶ。除菌後、6カ月後、12カ月後に内視鏡検査を再検して縮小、消失しているか確認する。
  1. 癌化の頻度は平均2.1%であり、まれに癌化するので、年1回の内視鏡検査を行う。(癌化した胃過形成性ポリープのほとんどが最大径2cm以上であった。)
  1. 一部に癌化をみた場合や除菌療法後、縮小・消失がみられないとき、出血を繰り返している場合は、内視鏡的切除とする。
  1. 鉄欠乏性貧血を合併しているときは、鉄剤投与を行う。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

胃ポリープの検査
  1. 診断は粘膜生検を行い、病理学的診断により確定診断する。
  1. 腺窩上皮の過形成と粘膜固有層の強い炎症と浮腫が認められるものが胃過形成性ポリープである。
  1. 胃底腺の過形成があり炎症所見が乏しいのが胃底腺ポリープである。
  1. 平行して、鉄欠乏性貧血を評価する。
○ 鉄欠乏性貧血の評価のために2)3)4)5)を、病態、治療方針の決定のために1)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

胃過形成性ポリープの治療計画
胃底腺ポリープの内視鏡像
胃過形成性ポリープの内視鏡像
著者校正/監修レビュー済
2016/06/10