1度・2度房室ブロック :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
安喰恒輔 JR東京総合病院

概要

疾患のポイント:
  1. 第1度房室ブロックとは、生理的な心房レートにおいて、PR間隔が0.21秒以上に延長している状態である。第2度房室ブロックとは、房室伝導が間欠的な状態である。
  1. 第1度房室ブロック:<図表>
  1. 第2度房室ブロックのうち、2個以上のPに対してQRSが1個のみ伝導するもの(房室伝導比が2:1未満のもの)を特に高度房室ブロックと呼び、定義上は第2度房室ブロックであるが、別稿「 高度・完全房室ブロック 」で解説する。
  1. 第2度房室ブロックは、PR間隔が徐々に延長しつつQRS波が脱落するⅠ型(ウェンケバッハ[Wenckebach]型あるいはモービッツ[Mobitz]Ⅰ型ともいう)と、PR間隔が不変のままQRS波が脱落するⅡ型(モービッツ[Mobitz]Ⅱ型ともいう)に分類されるが、房室伝導比が2:1以下の場合は分類できない。房室伝導比が2:1の場合を、特に2:1房室ブロックと呼ぶことがある。
  1. Ⅰ型第2度房室ブロック:<図表>
  1. Ⅱ型第2度房室ブロック:<図表>
  1. 2:1 房室ブロック:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 第1度房室ブロックとは、生理的な心房レートにおいて、PR間隔が0.21秒以上に延長している状態である。第2度房室ブロックとは、房室伝導が間欠的な状態である。適切に記録された心電図があれば、第1度・第2度房室ブロックの診断は困難でない。
 
原因の評価:
  1. 下記のような基礎疾患や可逆的原因を検索し、治療状況を確認する。
  1. 基礎疾患例:虚血性心疾患、拡張型心筋症、サルコイドーシス(ブドウ膜炎、両側肺門部リンパ節腫脹、皮膚症状)、アミロイドーシス、神経筋疾患(筋ジストロフィー)、先天性心疾患(先天性房室ブロック、大血管転位、房室中隔欠損)、心臓手術の既往(大動脈弁・僧帽弁置換術)、感染症(心内膜炎、ジフテリア)、膠原病
  1. 可逆的原因例:薬剤(…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. 初診時にはアダムス・ストークス発作と心不全症状・徴候の有無・重症度を評価する。
  1. 基礎疾患を検索し、治療状況を確認する。
  1. 例:虚血性心疾患、拡張型心筋症、サルコイドーシス(ブドウ膜炎、両側肺門部リンパ節腫脹、皮膚症状)、アミロイドーシス、神経筋疾患(筋ジストロフィー)、先天性心疾患(先天性房室ブロック、大血管転位、房室中隔欠損)、心臓手術の既往(大動脈弁・僧帽弁置換術)、感染症(心内膜炎、ジフテリア)、膠原病
  1. 可逆的原因の有無を検討する。
  1. 例:薬剤(Ⅰ群・Ⅲ群抗不整脈薬、ジギタリス製剤、Ca遮断薬、β遮断薬)、高カリウム血症(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、抗アルドステロン薬、カリウム製剤、腎不全薬)
  1. 上記で基礎心疾患の存在が否定されれば、胸部X線、血液検査は必ずしも必要ではない。
○ 上記の方針に基づき、下記の検査を考慮する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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アルゴリズム
Ⅰ型第2度房室ブロックに似た非伝導性心房期外収縮
房室ブロックを伴う心房頻拍
第1度房室ブロック
Ⅰ型第2度房室ブロック
Ⅱ型第2度房室ブロック
2:1 房室ブロック
著者校正/監修レビュー済
2017/08/31


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