子宮頸がん :トップ    
監修: 藤原康弘 国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科
田村研治 国立がん研究センター中央病院

概要

疾患のポイント:
  1. 子宮頸がんとは、子宮頸部に発生する悪性腫瘍である。子宮頸がんの死亡者は年間約2,500人、全がん死亡数に占める割合は約1.8%である。HPV(human papilloma virus)の持続感染が病因として重要である。
  1. 近年、死亡率は大きく減少しているが、20~30歳代の罹患率は変わっていない。
  1. 子宮頸がんの組織型は80~90%を扁平上皮がんが占める。
  1. 多くの子宮頸がんは不正性器出血、接触出血、帯下で発見されるが、初期には無症状のことも多く、細胞診スクリーニングによる検診が重要である。
 
細胞診スクリーニング:
  1. 初期には無症状のことも多く、細胞診スクリーニングによる検診が重要である。ただし、日本における検診率は約25%で、欧米の約80%と比較してきわめて低い。
  1. 細胞診スクリーニングについては、2003年以降、対象年齢を20歳以上とし、検診間隔は2年とし、終了年齢は設定されていない。
  1. 子宮頸がん検診は、子宮頸部スメア(擦過細胞診、液状細胞診)が基本であり、海外コホート研究では子宮頸がん検診により死亡率を30~80%低下させるとしている。
  1. Bethesda分類システムの結果に基づきスクリーニングを行う。(詳細は 子宮頸がん検診、HPV検査 参照)
 
診断:
  1. Bethesda分類システムの結果に基づいてスクリーニングを行い、その結果、疑い症例では、コルポスコピー、円錐切除術生検を行い確定診断となる。
  1. 1990年代以降、国際的な細胞診結果報告の標準化により、Bethesda分類システムが確立されている。
  1. Bethesda分類システム:<図表>
 
鑑別:
  1. 子宮頸部上皮内腫瘍の非浸潤病変(CIN: cervical intraepithelial neoplasia)との鑑別が大切である。なお、CIN 1でHPVテスト陰性であれば、1年に1回の細胞診で管理可能である。
  1. HGSILが疑われる場合やLGSILが1年継続する場合には、繰り返しのコルポスコピー検査を行い、がんを除外する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

子宮頸がんのスクリーニング、診断検査
  1. Bethesda分類システム<図表>の結果に基づきスクリーニングを行い、その結果、疑い症例では、コルポスコピー下組織診、円錐切除術生検を行い確定診断となる。
  1. 軽度扁平上皮病変(low-grade squamous intraepithelial lesion、LGSIL)、高度扁平上皮病変(high-grade squamous intraepithelial lesion、HGSIL)、HGSILを否定できない異型扁平上皮細胞(atypical squamous cells that cannot exclude HGSIL、ASC-H)は、HPV感染の有無にかかわらず積極的にコルポスコピー検査が必要である。
  1. 意義不明な異型扁平上皮細胞に対しては、HPVテストを行い、陽性であればコルポスコピー検査を行う。
  1. 子宮頸部に肉眼的腫瘍の所見がなく、頸管内搔爬で子宮頸部上皮内腫瘍(CIN 2以上、もしくは、HPV感染ありでCIN 1)を認める場合、細胞診でHGSILが疑われる場合、あるいは、生検で微小浸潤がんや上皮内腺がんが疑われる症例では、円錐切除術生検を行う。

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薬剤監修について:
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2016/11/30


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