慢性リンパ性白血病 :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
照井康仁 がん研有明病院 血液腫瘍科

概要

疾患のポイント:
  1. 慢性リンパ性白血病は成熟型のリンパ球が単クローン性に骨髄、リンパ組織で増殖する疾患である。慢性リンパ性白血病の発症年齢は60~70歳代に多く、60歳以下は30%程度であり、男性に多い(女性の約2倍)。
  1. 慢性リンパ性白血病は通常、非常にゆっくりとした経過をとるために、約25 %の患者は無症状で診断され、健康診断や他の病気の検査で偶然みつかることも多い。ほかに、全身倦怠感、リンパ節腫大、脾腫、肝腫大、貧血、血小板減少による出血傾向、体重減少、発熱、盗汗、ガンマグロブリン値の低下、自己免疫性溶血性貧血などを認めることもある。
 
診断: >詳細情報 
  1. 診断には細胞表面抗原分析、染色体、臨床像を検討し、他のリンパ増殖性疾患との鑑別が重要となる。
  1. 診断には、血算、末梢血液像、末梢血スメア、末梢リンパ球の表面抗原の検査が必要である。骨髄像は必須ではないが、施行された場合には、下記の所見を認める。
  1. 末梢血に、Bリンパ球が5,000/μl以上が最低4週間以上持続する。
  1. 細胞形態:成熟リンパ球であることを確認する(核小体をもった前リンパ球様細胞あるいはリンパ芽球が10%以下であることを確認する)。
  1. 表面形質:腫瘍細胞(大きさは赤血球の2倍以下)はCD5陽性(その他のT細胞形質は陰性)かつCD19またはCD20またはCD23陽性であることを確認する。それらは、免疫グロブリン(immunoglobulin、Ig)軽鎖のクローナリティが認められることを確認する。
  1. 骨髄像:骨髄像は診断には必須ではないが、診断の際に行われた場合では、リンパ球様細胞が30%以上であることを認める。生検では正形成性~過形成性であり、びまん性のリンパ球浸潤が認められる(非びまん性の場合もあり)。
 
ステージング合併症の確認(T、N、M因子の決定)治療方針の決定: >詳細情報 
  1. CLLの病期分類(Rai分類とBinet分類):<図表> 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

CLLの診断に必要な検査
  1. 一般的に細針生検(fine needle biopsy)や針生検(core needle biopsy)だけでは、リンパ腫の初期診断には適さない。ある状況では、リンパ節の摘出あるいは切除が困難な場合は、鑑別診断のための付属的な手法(免疫組織化学検査、フローサイトメトリー、IGHVやTCR遺伝子再構成のPCR、主な転座のFISH)と組み合わせてfine needle biopsyとcore needle biopsyとを併用して診断することは可能である。
  1. 血液のフローサイトメトリーがあれば、CLL/SLLの診断に十分である(生検は必要としない)。
○ 確定診断を行う場合、他のルーチン検査に下記の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

慢性リンパ性白血病(CLL)の治療フローチャート(1)
慢性リンパ性白血病(CLL)の治療フローチャート(2)
慢性リンパ性白血病(CLL)の診断フローチャート
細胞表面マーカーの特徴
慢性リンパ性白血病の末梢血像、細胞の特徴、骨髄像
著者校正/監修レビュー済
2016/07/21