巨赤芽球性貧血 :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
杉本由香 三重大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科

概要

疾患のポイント:
  1. 巨赤芽球性貧血とは、骨髄に核と細胞質の成熟度の解離した巨赤芽球がみられる貧血で、ビタミンB12あるいは葉酸の欠乏などによるDNA合成障害が原因で発症する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 平均赤血球容積 (MCV)が100 fl以上を示す大球性貧血をみたとき、血清ビタミンB12と葉酸を測定する。いずれかが低下していれば血清ビタミンB12または葉酸欠乏によるDNA合成障害を原因とする巨赤芽球性貧血を疑い、治療を開始する。治療を開始しても貧血の改善がない場合は、骨髄異形成症候群(MDS)など他疾患を考え、骨髄穿刺検査を施行する。
  1. 巨赤芽球性貧血診断のアルゴリズム:アルゴリズム
  1. 巨赤芽球は、ほかの造血器疾患、特に骨髄異形成症候群(MDS)でもみられるため、ビタミンB12や葉酸の補充で貧血が改善しない場合には骨髄穿刺標本による診断を専門医と病理医に依頼する。
 
原因疾患・合併疾患の評価: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 原因疾患は、大きく、ビタミンB12の欠乏、葉酸の欠乏、ビタミンB12あるいは葉酸欠乏によらない巨赤芽球性貧血の3つに分けられる。
  1. ビタミンB12の欠乏:
  1. 摂取不足、吸収不全(胃、小腸の異常、内因子‐ビタミンB12複合体の受容体欠損、薬剤性 [※1])、吸収後の血漿中における輸送障害 (トランスコバラミンII‐ビタミンB12複合体のトランスコバラミンII受容体への引き渡し不全) 、代謝障害 など
  1. 悪性貧血や胃切除などによる吸収不良、菜食主義などによる摂取不足が主な原因である。
  1. 葉酸の欠乏:
  1. 栄養面:摂取不足、吸収不全:(近位空腸切除術など)、細胞による葉酸の取り込み不全、細胞による葉酸の利用障害、薬剤性(※2)、急性葉酸欠乏など
  1. ビタミンB12あるいは葉酸欠乏によらない巨赤芽球性貧血:
  1. 先天性DNA合成障害、後天性DNA合成障害など
  1. 薬剤1:プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬、スローケー、メトホルミン、コレスチラミン、コルヒチン、ネオマイシンなど

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時診断のための検査オーダー
  1. 大球性貧血を認める患者では下記を必ず確認する。大球性貧血を来す疾患の鑑別を行い、巨赤芽球性貧血を診断する。
  1. 消化管の手術歴およびその手術術式の確認
  1. 菜食主義の確認
  1. 大量飲酒、妊娠の有無
○ 大球性貧血の鑑別を行う場合、下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

巨赤芽球性貧血診断のアルゴリズム
巨赤芽球性貧血治療のアルゴリズム
著者校正済:2018/08/23
現在監修レビュー中

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、巨赤芽球性貧血の診断における骨髄検査施行の意義について修正を行った。


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