今日の臨床サポート

巨赤芽球性貧血

著者: 杉本由香 三重大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2022/11/24
参考ガイドライン:
  1. British Committee for Standards in Haematology:Guidelines for the diagnosis and treatment of cobalamin and folate disorders. Br J Haematol, 2014
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. ビタミンB12が欠乏すると活性型葉酸が欠乏するため、葉酸欠乏と同様の血液学的異常を示す(推奨度1)
  1. 小球性貧血を示す疾患と合併した巨赤芽球性貧血では、MCVが正常値あるいは低値を示すことがある。すなわち、全自動血球計数器でMCV値が高値である大球性貧血でなくともビタミンB12欠乏あるいは葉酸欠乏による貧血が潜在することも念頭に置く必要がある(推奨度1)
  1. ビタミンB12が欠乏すると、血清または尿中メチルマロン酸が増加する(推奨度1)
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  1. 巨赤芽球性貧血ではビタミンB12欠乏による神経症状を高頻度に併発する。
  1. ビタミンB12欠乏に葉酸を投与すると神経症状が悪化することがあるので、葉酸単独投与は行わない(推奨度1)
  1. 食物を介して十分に摂取しているにもかかわらず、吸収不良によりビタミンB12欠乏を来すfood-cobalamin malabsorption症候群が提唱されている(推奨度2)
  1. H2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬、メトホルミンの長期使用がビタミンB12吸収障害の原因となり得る(推奨度2)
  1. わが国におけるビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血に対する治療では、ビタミンB12の投与は筋注あるいは静注で行われているが、欧米ではビタミンB12は経口摂取量の約1%が内因子を必要としない受動的拡散により吸収されるという考え方に基づき、経口投与を行い、その有効性が報告されている(推奨度2)
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  1. 抗内因子抗体陽性の悪性貧血症例では血清中のビタミンB12の濃度が偽高値として測定されることがある(推奨度1)

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
杉本由香 : 研究費・助成金など(インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン)[2023年]
監修:木崎昌弘 : 講演料(武田薬品工業,ヤンセンファーマ,小野薬品工業,ブリストル・マイヤーズスクイブ),研究費・助成金など(武田薬品工業),奨学(奨励)寄付など(協和キリン,旭化成ファーマ,第一三共,中外製薬,日本新薬,武田薬品工業)[2023年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(軽微な変更のみ)。

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