甲状腺腫 :トップ    
監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ
宮川めぐみ 虎の門病院 内分泌代謝科

概要

疾患のポイント:
  1. 甲状腺腫とは、甲状腺の腫大を認めることである。甲状腺腫は、その原因の特徴により、さらにびまん性病変と結節性病変に分かれ、診察・超音波検査にてその二つを鑑別できる。
 
原因疾患:
  1. びまん性甲状腺腫:
  1. びまん性甲状腺腫を来す疾患には、バセドウ病( 甲状腺機能亢進症 )、 橋本病 、 甲状腺機能低下症 が最も頻度が高いが、それ以外に 亜急性甲状腺炎 、無痛性甲状腺炎、化膿性甲状腺炎、薬剤性甲状腺炎、放射線性甲状腺炎などがある。
  1. 結節性甲状腺疾患:
  1. 結節性甲状腺疾患で高頻度で認められるのは、非腫瘍性病変である腺腫様結節、あるいは腺腫様甲状腺腫である。良性腫瘍には濾胞腺腫があり、悪性腫瘍には乳頭癌(90%)、濾胞癌(5%)、髄様癌(数%)、その他未分化癌、悪性リンパ腫、転移性甲状腺癌などがある。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 診断は、アルゴリズムに沿って行う。
  1. 甲状腺腫の診断アルゴリズム:アルゴリズム
  1. びまん性甲状腺腫:
  1. びまん性甲状腺腫の場合、 バセドウ病 と  橋本病 、 甲状腺機能低下症 が最も頻度が高いため、臨床症状として、甲状腺機能亢進症状あるいは機能低下症状の有無を確認しつつ問診する。甲状腺機能異常は、ほかの疾患(脂質異常症、 パニック障害 、肝機能障害、 うつ病 、 認知症  など)と診断されて治療されていることがあり、注意が必要である。バセドウ病では、血中FT3、FT4が高値で、TSHは抑制されており、TSHレセプター抗体(TRAb)が陽性となる。橋本病では、甲状腺機能が正常であることが多く、一部で血中FT3、FT4が低値で、TSHが高値となり、甲状腺自己抗体(TPOAb、TgAb)が陽性となる。
  1. 結節性病変:
  1. 結節性病変を認めた場合は、まず超音波検査で良性か悪性かを診断していく。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

バセドウ病の初期治療例
  1. バセドウ病治療ガイドラインに沿って、通常、抗甲状腺薬であるメルカゾール3錠で治療開始。
  1. 治療後最初の2カ月間は副作用である白血球減少症、無顆粒球症、重症肝障害の出現の有無を2週間ごとにチェックする。
○ 抗甲状腺薬にはMMI(メルカゾール)とPTU(チウラジール)があるが、副作用の出現頻度が少ない点、および治療効果の発現が早い点からメルカゾールを第1選択とする。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

甲状腺腫の診断アルゴリズム
症例:バセドウ病 29歳女性
バセドウ病の甲状腺エコー所見(29歳女性)
亜急性甲状腺炎の甲状腺エコー所見(40歳女性)
濾胞腺腫の甲状腺エコー所見(60歳男性)
乳頭癌の甲状腺エコー所見(72歳男性)
悪性を疑う超音波所見のオッズ比
著者校正/監修レビュー済
2017/01/20


  • 腫瘍 の他のコンテンツを見る
  • 内分泌 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ