認知症治療薬(薬理) :トップ    

中原 保裕1) 『今日の臨床サポート』編集部2) 1)(有)ファーマシューティカルケア研究... 2)

概要

まとめ:
  1. 現在わが国で使用可能なアルツハイマー型痴呆症(AD)の治療薬物として、コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)とNMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体拮抗薬(メマンチン)がある。ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンは2011年春~夏に薬価収載され、医療現場で用いることが可能となった。
  1. 軽度~中等度ADに対するメマンチンの単剤治療の効果は一般的に低いが、中等度~高度ADに対しては特にChEIとの併用療法が認知・行動・ADL機能、興奮・攻撃性・易刺激性・食行動異常などの認知症の行動・心理症状(BPSD)に有効であり、さらに施設入所遅延効果があることが報告されている。
  1. これらの薬剤は、現在のところ進行を少しでも抑える程度の効果しか期待されない。従って、効果が認められないケースでは漫然と使わないようにする。
  1. コリンエステラーゼ阻害薬の作用機序:<図表>
 
認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害薬) >詳細情報 
  1. 低下しているアセチルコリン神経を高めるためにアセチルコリンエステラーゼを阻害することで脳内のアセチルコリンを増加させると同時に、ニコチン性アセチルコリン受容体の感受性を亢進させる。
  1. 認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害薬)に属する薬剤として、ドネペジル(アリセプト)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ)などがある。
  1. 同効薬間での薬剤選択に関しては、これらの薬剤での比較研究で効果の差は認めていないため、主に剤型や保険適用で選択される。
  1. 保険適用上は、アリセプトは、(軽度から重症の)アルツハイマー型認知症に適応があり、レミニール、リバスタッチは、軽度および中等度のアルツハイマー型認知症に適用がある。
  1. 剤型に関しては、以下のようになっている。
  1. 1日1回経口(細粒、錠剤、OD錠、内服ゼリー):ドネペジル(アリセプト)
  1. 1日2回経口(錠剤、OD錠、内用液):ガランタミン(レミニール)
  1. 1日1回貼付:リバスチグミン(リバスタッチ)
 

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

アルツハイマー病症例の初回治療
重症度別アルツハイマー型痴呆症薬物治療アルゴリズム
コリンエステラーゼ阻害薬の作用機序
NMDA受容体拮抗薬の作用機序
著者校正/監修レビュー済
2016/04/22