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改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正を行った。
  1. 推奨内容の見直しを行った。
  1. アルツハイマー型認知症に対する新規薬:レカネマブについての記載を追加した。
  1. 認知症の症例を追加した。

概要・推奨   

  1. 認知症のスクリーニングにMMSEやHDS-Rは推奨される(推奨度2)
  1. 認知症の診断には、DSM-5の診断基準に照らし合わせ、獲得した認知機能が1つ以上の喪失を確認し、せん妄やうつ病などの他の精神の除外が強く推奨される(推奨度1)
  1. 認知症診断の約9割が病歴聴取、身体所見、精神状態の評価を含めた神経所見によって行われており、それらをおろそかにしないことは強く推奨される(推奨度1)
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  1. 採血では、血算・血糖・電解質のほか、ビタミンB12・葉酸・甲状腺機能の測定が推奨される(推奨度1)。頻度の低さから、特定のリスクのない認知症患者でルーチンにRPRやVDRLを測定することは推奨されない(推奨度3)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 認知症の有病率はわが国では65歳以上で約15%、平成24年人口からの推計では462万人と推定されている[1]
  1. 厚生労働省の試算では、日常生活自立度II(日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる)以上のわが国の認知症高齢者は2010年で280万人、2020年で410万人、2025年で470万人とされている[2]
  1. 一方で、米国を中心に先進国では徐々に認知症の有病割合が減ってきているとの報告があり、日本でも有病割合が変化していくことが予想される[3]
  1. 高齢患者の認知症のほとんどはアルツハイマー病(約70%)。次いで血管性認知症(10%)、レビー小体型認知症(5%)。
  1. 近年、認知症の原因となる神経核内封入体病の報告が増えているが、正確な有病割合は不明である。
  1. 潜在的に可逆性の認知症は9%と頻度は少ないが、その可逆性は早期の発見・治療に懸かっている。また若年者や短期間の認知症患者では多い。
  1. 認知症の原因とはならず、それゆえに認識されない内科的疾患は、認知症の患者には多く、これらの疾患の治療は、ある程度認知機能を改善し得る。
 
問診・診察のポイント  
  1. ①病歴聴取、身体所見、神経所見、②スクリーニング検査、③選択的な検査――の3つのステップがある。
  1. 認知症診断の約9割が病歴聴取、身体所見、精神状態の評価を含めた神経所見によって行われる。家族・知人からの情報も重要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
柴﨑俊一 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山中克郎 : 特に申告事項無し[2024年]

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