原発性副甲状腺機能亢進症 :トップ    
監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ
山内美香 杉本利嗣 島根大学 内科学講座内科学第一

概要

疾患のポイント:
  1. 副甲状腺機能亢進症とは、副甲状腺ホルモン(PTH)の慢性的分泌過剰状態により生じる代謝異常を称する。
  1. このうち、副甲状腺に発生した腺腫や過形成あるいは癌からPTHが自律的かつ過剰に分泌され高Ca血症を来したものが、原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)である。
  1. 欧米では原発性副甲状腺機能亢進症の頻度は約500~1,000人に1人と推計され、その8割以上は無症候性例( エビデンス )である。一方、わが国では約2,000~3,000人に1人程度とされているが、診断されていない無症候性例がかなり存在している可能性がある。実際、わが国でも無症候性で診断される頻度が増加してきており、現在では50%を上回るものと推計される。性別では約3:1と女性に多くみられ、特に中高年女性に多い。 腎結石症・尿管結石症 や 骨粗鬆症 を認めた場合は、本疾患を疑って、1回は血清Ca値を測定するべきである。 エビデンス 
  1. 副甲状腺機能亢進症の症状は、高Ca血症による症状が主である。ただし、軽度の高Ca血症ではほとんど自覚症状が認められない。血清Ca値が12mg/dl以上になると、神経・筋障害による易疲労感、脱力などを、腎での尿濃縮力低下により多尿、口渇、脱水などを、消化管運動の低下により悪心、嘔吐、便秘などを、またガストリン分泌亢進により胃酸分泌亢進を起こし、消化性潰瘍や膵炎を合併することがある。 エビデンス 
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 補正Ca値が高値の場合、PTHの同時測定を行う。補正Ca、PTHのいずれもが高値の場合または両方とも正常値上限を示す場合で、家族性低Ca尿性高Ca血症(FHH)と薬剤性(リチウム製剤などの服用歴)が除外されれば、pHPTと診断される。
  1. なお、家族性低Ca尿性高Ca血症とpHPTの鑑別にはCaクリア…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時に行う検査
  1. 血清Ca値の判定時、低アルブミン血症が存在する場合には、補正Caを用いる。
  1. 補正Ca濃度(mg/dl)=実測Ca濃度(mg/dl)+[4-血清アルブミン濃度(g/dl)]
  1. 補正Ca値が正常上限から高値の場合、PTHの同時測定を行う。補正Ca、PTHのいずれもが高値の場合、家族性低Ca尿性高Ca血症とリチウム製剤などの服用歴が除外されれば、原発性副甲状腺機能亢進症と診断される。
○ 高Ca血症が疑われる場合、下記の検査を同時に行い評価する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

高Ca血症の鑑別診断
甲状腺エコー
頚部MRI; STIR像
著者校正/監修レビュー済
2016/12/28

編集履歴:
2018年5月7日 修正
修正箇所:評価・治療例
 
修正内容:アレディアとテイロックが販売中止となったため記載を削除


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