消化性潰瘍治療薬(薬理) :トップ    

中原 保裕1) 『今日の臨床サポート』編集部2) 1)(有)ファーマシューティカルケア研究... 2)

概要

まとめ:
  1. 消化性潰瘍の治療として、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、ヒスタミン2受容体拮抗薬(H2受容体拮抗薬)、ムスカリン受容体拮抗薬、プロスタグランジン製剤(PG製剤)、抗ドパミン薬、防御因子増強薬、制酸薬、抗ガストリン薬などが用いられている。
  1. 消化性潰瘍を認める患者の治療の方針を決定には、NSAIDsやアスピリンの服用歴とH. pylori感染診断が必要である。これらの結果により非NSAIDs・H. pylori陽性潰瘍、非NSAIDs・H. pylori陰性潰瘍、NSAIDs潰瘍の3つに分類して、それぞれの成因に応じた治療を選択する。
  1. NSAIDs・H. pylori陽性潰瘍では、H. pyloriの除菌を行う。
  1. NSAIDs潰瘍の予防には、特異的COX2阻害薬への切り替え、PPI、PG製剤、高用量のH2受容体拮抗薬が有効である。
  1. 非NSAIDs・H. pylori陰性潰瘍では、通常、最も強力な酸分泌抑制作用を持つPPIが初期治療の第1選択である。肝障害や薬剤アレルギーなどの原因でPPIの投与ができない場合はPPI に次いで酸分泌抑制作用を持つH2受容体拮抗薬の投与を行う。
  1. なお、PPIは、胃潰瘍で8週間、十二指腸潰瘍で6週間の保険適用上処方期限の上限がある。
  1. 攻撃因子抑制薬の作用点:<図表>
  1. 防御因子(粘膜)を強化する5タイプの薬:<図表>
 
プロトンポンプ阻害薬: >詳細情報 
  1. プロトンポンプ(H+・K+-ATPアーゼ)は壁細胞からの酸分泌の最終段階に位置する。プロトンポンプ阻害薬は、それを阻害することで、強力に酸分泌を抑制する薬である。
プロトンポンプ阻害薬に属する薬剤として、ランソプラゾール(タケプロン)、オメプラゾール(オメプラール・オメプラゾン)、ラベプラゾール(パリエット)、エソメプラゾール(ネキシウム)、ボノプラザン(タケキャブ)がある。
  1. 臨床的には、上部消化管出血、胃・食道潰瘍、胃食道逆流症(GERD)、非びらん性胃食道逆流症、H. pylori除菌、Zollinger-Ellison症候群の治療に用いられる薬である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

攻撃因子抑制薬の作用点
粘膜を強化する5タイプの薬
胃・十二指腸潰瘍の成因
NSAIDs粘膜傷害の発症と治癒
潰瘍の病期分類
活動期の胃潰瘍
治癒期の胃潰瘍
セロトニン受容体のタイプ
ヒスタミンの作用
著者校正/監修レビュー済
2016/08/19