• 代謝 の他のコンテンツを見る
糖尿病性昏睡

著者: 吉岡成人 NTT東日本札幌病院

監修: 野田光彦 国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科

著者校正/監修レビュー済:2019/12/05

概要・推奨  

  1. 糖尿病ケトアシドーシス(DKA)は、高血糖(250mg/dl)、高ケトン血症(β-ヒドロキシ酪酸の増加)、アシドーシス(pH7.30、重炭酸塩濃度18mEq/l)を来した状態であり、緊急の対応が強く推奨される(推奨度1)
  1. DKAの治療の基本は脱水の補正とナトリウムの補充であり、生理食塩水を中心とした十分な輸液とインスリンの持続点滴を行うことが推奨される(推奨度1)
  1. DKAの初期治療としてインスリンの静脈投与(ボーラス投与)をインスリンの持続点滴と併用することは推奨されていない(推奨度3)
  1. 速効型インスリンを0.1U/kg/時のスピードで点滴静注し、75~100mg/dl/時のスピードで血糖値が低下することを確認することが推奨されている。血糖の低下が不十分な場合は、点滴速度を調節することが推奨される(推奨度1)
  1. 血糖値が200~250mg/dl前後に安定した時点で輸液の内容は5~10%グルコース液に変更することが推奨される。血糖値の改善に伴い血清カリウムが低下するので、利尿を確認したうえで、血清カリウムを補充することが推奨される(推奨度1)
  1. ケトアシドーシスの速やかな改善のために、血中のβ-ヒドロキシ酪酸が改善するまでは、10~20%濃度の比較的糖濃度が高い輸液を用いるという報告があるが、日常診療における有用性は確立されておらず、推奨されない(推奨度3)
  1. 緊急の入院が必要でないと判断される場合には、超速効型インスリンアナログの皮下注射を試みることも考えられるが、現段階では推奨されない(推奨度3)
  1. アシドーシスの補正が生命予後やDKAの病態の改善に有用であるとのデータはなく、動脈血ガス分析にてpH 7.0未満で意識障害がある場合を除いては重炭酸塩の補充は推奨されない(推奨度3)
  1. リンの補正を行うことの有用性は確認されていない。明らかな低リン血症を認める場合以外は、リンを投与することは推奨されていない(推奨度3)
  1. 高血糖(600mg/dl)、高浸透圧血症(320m…
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 糖尿病診療ガイドライン2019発行に伴いレビューを行った(主要な変更はなし)。


ページ上部に戻る


エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。