低血糖 :トップ    
監修: 野田光彦 埼玉医科大学
大杉満 国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科

概要

所見のポイント: >詳細情報 
  1. 低血糖症状があること、低血糖が検査などで証明され、かつ血糖が上昇すると症状が改善する場合に低血糖の原因検索を行う。
  1. 低血糖の症状として、自律神経症状(振戦、動悸、不安感、冷汗、空腹感、しびれ感)と、中枢神経症状(集中力低下、めまい、不明瞭言語、錯乱、頭痛、かすみ目、傾眠傾向、意識障害、てんかん発作、昏睡)がある。
  1. 問診、身体所見などから、薬剤、重篤な基礎疾患、内分泌不全、(膵島腫瘍以外の)腫瘍性疾患が存在しないかまずは疑う。
  1. やみくもに採血を行うのではなく、十分な低血糖で採血された検体を用いると、正確な原因診断が可能になる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 低血糖に特徴的な症状があり、血糖値が低く(血漿血糖値で70mg/dl未満とするのが一般的である)、血糖値が上昇すると症状が消失する場合、低血糖疾患の原因検索と治療が必要になる。
 
治療: >詳細情報 
  1. 緊急の対処方法:目の前で低血糖を起こしている患者の場合、意識があり安全に経口摂取可能な場合にはブドウ糖を服用させ、糖尿病治療薬などの薬剤による低血糖の場合には食事の摂取が必要になる。
  1. 意識障害があったり、経口摂取が難しい場合、グルカゴン皮下注射・筋肉注射が必要になったり、ブドウ糖静注が必要になる。原因疾患によっては低血糖が遷延することがあり、少なくとも24時間程度の観察と治療を要する場合がある。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 病歴聴取や一般検査、画像検査で、明らかに低血糖を引き起こす薬剤や、基礎疾患が認められず、低血糖とそれに伴う症状、そして低血糖が改善すると症状の改善も認められる場合、内分泌専門医への紹介が必要となる。
 
診断へのアプローチ:
  1. 一般的には糖尿病治療に伴う低血糖が大多数を占めるため、糖尿病治療の調整や低血糖の予防を講ずることに十分な時間を割くべきである。インスリノーマなどの疾患を想定して…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

低血糖の治療例
  1. 意識障害を認める場合には、50% ブドウ糖20~40ml静注する。
  1. 栄養失調も疑われる場合には、アリナミンF 50~100mg静注も同時に投与する。
  1. 経口摂取が可能な場合はブドウ糖(5~10g)またはブドウ糖を含む飲料水(150~200mL)を摂取させる。ショ糖では10~20gを飲ませる。
○ 意識障害を認める場合は1)を投与する。栄養失調の合併を認める場合には2)を併用する。経口摂取が可能な場合は3)を投与する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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低血糖鑑別のフローチャート
著者校正/監修レビュー済
2017/11/30

編集部編集コンテンツ:
 
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