インスリノーマ :トップ    
監修: 野田光彦 埼玉医科大学
濱本博美 はまもと内科クリニック

概要

疾患のポイント:
  1. インスリノーマとはインスリンを過剰産生する膵臓の腫瘍である。その結果として、低血糖発作を誘発する疾患である。
  1. 90%が良性、単発性である。また、多発性内分泌腫瘍(MEN)1型を0.8%で合併し、その場合は多発性が多く、悪性の頻度が高くなるため注意を要する。
 
診断: >詳細情報 
  1. 存在診断
  1. 下記の検査で、インスリノーマの存在を評価する。
  1. Whippleの3徴(①空腹時の中枢神経症状 ②症状出現時の血糖が50mg/dL未満 ③ブドウ糖投与による症状消失)の有無を確認。
  1. 絶食試験、グルカゴン負荷試験。
  1. 血糖値、IRI、Cペプチド、プロインスリンを測定。
  1. 局在診断:
  1. 以下の検査で、インスリノーマの局在を評価する。
  1. 画像診断(経腹エコー、CT検査)で膵腫瘍の有無を確認する。 エビデンス 
  1. 上記で腫瘍を指摘できない場合はさらにMRIや超音波内視鏡(EUS)、選択的動脈内カルシウム注入法(ASVS)も検討する。
  1. インスリノーマの局在診断・治療方針:アルゴリズム
 
他の低血糖を起こす鑑別疾患: >詳細情報 
  1. 頻度高い疾患:
  1. 薬剤性、反応性低血糖、アルコール依存症、栄養失調、高カロリー輸液の中止後
  1. 重篤な疾患:
  1. 急性副腎不全(汎下垂体機能低下症、アジソン病、ACTH単独欠損症など)、非β細胞腫瘍(IGF-2産生腫瘍ほか)、肝不全、Nesidioblastosis

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

低血糖の評価例(インスリノーマの存在、局在診断のための評価例)
  1. 低血糖の原因精査のためには、薬剤歴を評価する。
  1. 低血糖が報告されている薬剤<図表>
  1. その次に低血糖時のIRIを測定し、不適切なインスリン過剰分泌の有無を評価する。
  1. 低血糖鑑別のフローチャート<図表>
  1. インスリン自律分泌の指標として簡易的に、血糖が55mg/dL以下のときにIRI3μU/mL以上、Cペプチド0.6ng/mL以上、プロインスリン5.0pmol/L以上でもよい。
  1. 低血糖時のIRIが低値の場合はプロインスリンが過剰分泌されている場合があるため、プロインスリンの測定を考慮する(保険適外)。
  1. 低血糖を疑うエピソードがあるものの血液検査で確認ができていない場合は、絶食試験を行い低血糖を誘発する。
  1. 高インスリン血性低血糖が確認された場合には、画像検索を行い膵腫瘍の有無を検索する。
○ 上記の方針に従い下記の検査を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

インスリノーマの局在診断
インスリノーマの治療方針
低血糖が報告されている薬剤
低血糖鑑別のフローチャート
低血糖の鑑別診断表(血糖値<55mg/dLの場合)
低血糖の処置
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25


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