巨細胞性動脈炎 :トップ    
監修: 岸本暢将 聖路加国際病院
宇都宮雅子 東京医科歯科大学 膠原病・リウマチ内科

概要

疾患のポイント:
  1. 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)とは、通常50歳以上の患者に発症する大動脈あるいはその主要分枝に起こる肉芽腫性血管炎である。
  1. 不明熱の原因全体の2%を占め、65歳以上の不明熱ではその16%を占める。
  1. 大多数の例では頭部症状(頭痛・頭皮の圧痛・下顎跛行・複視・視力消失)や発熱、リウマチ性多発筋痛症様の症状などで発症するが、15%は発熱のみ、また5%は上気道症状をはじめとする非典型的な症状で発症することがあるため、典型的な症状がない場合も鑑別に挙げることが重要である。
  1. 巨細胞性動脈炎は、指定難病であり、重症度分類Ⅲ度以上の場合などは申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 1990年の米国リウマチ学会の巨細胞性動脈炎の分類基準では、以下の5項目中3項目以上該当した場合巨細胞性動脈炎となる。
  1. 年齢50歳以上
  1. 新しく発症した頭痛
  1. 側頭動脈の圧痛、あるいは動脈硬化症と無関係に起こった脈拍の減弱
  1. 赤沈>50mm/時
  1. 浅側頭動脈生検標本で、単角細胞浸潤、肉芽腫性炎症、多核巨細胞を伴った血管炎を認める 
  1. なかでも浅側頭動脈生検は、巨細胞性動脈炎と診断された場合疾患の治療期間が長く、可能な限り確実に診断することが必要であること、および他血管炎の除外という点でも行うことが望ましい。
  1. 巨細胞性動脈炎 浅側頭動脈:<図表>
  1. 巨細胞性動脈炎 浅側頭動脈生検:<図表>
  1. 巨細胞性動脈炎のCT画像:<図表>
 
重症度・予後: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 1990年の米国リウマチ学会の巨細胞性動脈炎の分類基準では、以下の5項目中3項目以上該当した場合巨細胞性動脈炎となる。
  1. 年齢50歳以上
  1. 新しく発症した頭痛
  1. 側頭動脈の圧痛、あるいは動脈硬化症と無関係に起こった脈拍の減弱
  1. 赤沈>50mm/時
  1. 浅側頭動脈生検標本で、単角細胞浸潤、肉芽腫性炎症、多核巨細胞を伴った血管炎を認める 
  1. 検査としては、まず、血算や、CRP、ESRを評価して、慢性の炎症所見を確認する。特にESR100mm/時以上は巨細胞性動脈炎の診断の参考となる所見である。
  1. 大動脈炎の評価目的で頚胸腹骨盤部造影CT あるいは頚動脈ドプラーエコーを行い、動脈壁の炎症所見有無の評価を行う。ただし、頚胸腹骨盤部造影CTでは腎機能に注意する。頚動脈ドプラーエコーは術者にもよるが、感度93%の報告がある。
  1. 確定診断には浅側頭動脈生検を行い、大型動脈の動脈壁の炎症の病理学的評価を行う。通常、形成外科、 脳神経外科または皮膚科に相談をすることが多い。
○ 診断の目的で、全身の炎症評価目的で1)~4)を、動脈の炎症の評価目的で5)6)を、確定診断の目的で7)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

巨細胞性動脈炎 浅側頭動脈生検
巨細胞性動脈炎のCT画像
巨細胞性動脈炎 浅側頭動脈
著者校正/監修レビュー済
2017/05/31