今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 宇都宮雅子 グランてらす小平団地クリニック/多摩総合医療センター

監修: 岸本暢将 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科

著者校正済:2025/01/29
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 欧州リウマチ学会:EULAR recommendations for the use of imaging in large vessel vasculitis in clinical practice: 2023 update
  1. 米国リウマチ学会:2021 American College of Rheumatology/Vasculitis Foundation Guideline for the Management of Giant Cell Arteritis and Takayasu Arteritis
  1. 英国リウマチ学会:British Society for Rheumatology guideline on diagnosis and treatment of giant cell arteritis
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『EULAR recommendations for the use of imaging in large vessel vasculitis in clinical practice: 2023 update』『2021 American College of Rheumatology/Vasculitis Foundation Guideline for the Management of Giant Cell Arteritis and Takayasu Arteritis』『British Society for Rheumatology guideline on diagnosis and treatment of giant cell arteritis』等、近年の文献に基づき、下記の点を加筆・修正した。
  1. 症状・所見等について理解しやすいよう整理を行った。
  1. 画像検査に関してアップデートを行った。
  1. 治療における免疫抑制薬・生物学的製剤の位置づけ・重み付けに関するアップデートを行った。

概要・推奨   

  1. 巨細胞性動脈炎(Giant cell arthritis、GCAは、大多数の例では頭部症状(頭痛・頭皮の圧痛・下顎跛行・複視・視力消失)や発熱、リウマチ性多発筋痛症様の症状などで発症するが、10-15%は発熱のみ、また4%は上気道症状を初めとする非典型的な症状で発症することがある
  1. GCAを強く疑う場合、(他疾患[特に感染症]がないことを確認し)生検の実施や結果を待たずに早期に治療を開始する(推奨度1、エビデンスレベルRsG)
  1. 診断の確認として可能であれば側頭動脈生検、あるいは側頭動脈エコー±腋窩動脈エコー、またはこれらすべて(生検とエコー)を施行したい(推奨度1、エビデンスレベルOG
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎、以下GCA:giant cell arteritis)は、通常50歳以上の患者に発症する大動脈あるいはその主要分枝に起こる肉芽腫性血管炎である。発症年齢のピークは70歳代で、約8割が70歳以上で発症する[1][2]
  1. 半数以上の患者で発熱を伴い、その程度は微熱から39℃を超える高熱までさまざまである。発熱をはじめとする全身症状や炎症反応以外の所見が目立たないことも少なくなく、GCAは不明熱の代表的な鑑別疾患の1つであり、65歳以上の不明熱のうち16%がGCAであったという報告もある[3]
  1. GCAの病態の主体は、大型から中型の動脈の炎症とそれによる虚血である。よく知られた症状/所見/病変である頭痛や顎跛行、視力障害、脳梗塞等は主に外頚動脈系をはじめとした頭蓋の動脈の動脈炎に起因する一方、大動脈やその分枝も侵されることも多く(large vessel GCAあるいはextracranial GCAと呼ばれる)、特にこれらの部位の炎症が主体の場合は、発熱や倦怠感等、非特異的な炎症所見のみが目立つこともよく経験する。GCAの症状/所見/病変は大まかに以下のように分類すると理解しやすい。
 
GCAの症状・所見・病変の整理

出典

著者提供
 
  1. 上記のうち、大多数の例では頭部症状(頭痛・頭皮の圧痛・下顎跛行・複視・視力消失)や発熱、リウマチ性多発筋痛症様の症状などで発症するが、10-15%は発熱のみ、4%は乾性咳嗽をはじめとする上気道症状[4]などで発症することも報告されており、典型的な症状がない場合もGCAを鑑別に挙げることが重要である。
  1. 重症例では上述の視力低下や失明をはじめとして、脳梗塞、冠動脈病変や大動脈基部の病変を来すことがあり注意が必要である。
  1. GCAは、指定難病であり、重症度分類III度以上の場合などは申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(https://www.nanbyou.or.jp/entry/3929
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
病歴・診察のポイント  
  1. 頭痛、発熱、筋痛、関節痛、呼吸器症状、視力低下・色調変化・複視・視野変化の有無について聴取するが、これらは決して特異的ではないことに注意する。このほか、顎跛行(咀嚼時の顎の痛み)や頭皮の圧痛・過敏(髪をとかそうとして櫛やヘアブラシを当てるとピリピリと痛いなど)のエピソードなどもGCAでみられることが多く、積極的に聴取したい。特に顎跛行はGCAに特異度が高いといわれている[5][6]
  1. 身体診察は、浅側頭動脈の視診・触診(動脈怒張、結節状変化、脈の減弱・喪失の有無、動脈およびその周囲の圧痛)、まれであるが側頭部をはじめとした頭皮・頬粘膜・舌粘膜の潰瘍の有無、頸動脈の聴診・触診(血管雑音・圧痛の有無)、心雑音の聴診などを含める。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
宇都宮雅子 : 未申告[2024年]
監修:岸本暢将 : 講演料(中外製薬(株),ブリストル・マイヤーズスクイブ(株),AbbVie合同会社,田辺三菱製薬(株),エーザイ(株),ノボノルディスクファーマ(株),日本イーライリリー(株),第一三共(株),ヤンセンファーマ(株),あゆみ製薬(株),ユーシービージャパン(株),旭化成ファーマ(株))[2024年]

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