乳腺症 :トップ    
監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門
本間尚子1) 明石定子2) 中村清吾3) 1)東邦大学医学部病理学講座 2)昭和大学 乳腺外科 3)昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部...

概要

疾患のポイント:
  1. 乳腺症とは、30~40歳代女性に好発する(ただし幅広い年齢層にみられる)、硬結・腫瘤、疼痛、乳頭異常分泌などの症状を呈する乳腺の良性疾患である。
  1. 乳腺疾患のなかでは最も頻度が高いとされるが、正常との線引きなど、その定義・診断基準は国内専門家間でも意見が分かれている。 エビデンス 
  1. 乳腺症は、30~40歳代の成熟期女性が、乳房の腫脹、硬結・腫瘤、疼痛(自発痛、圧痛)、乳頭異常分泌などの乳腺症状で受診した際には、まず念頭に置くべき疾患である。特に、月経周期に伴う異常(月経前や排卵期に多い)、多発あるいは両側性の症状(患者の訴えは片側/単発性でも、触診すると両側/多発性のことも多い)、多孔性・非血性の乳頭異常分泌を認めた場合には可能性が高い。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 臨床上重要なのは、乳腺症の診断よりも癌の除外であり、画像診断を含めた徹底した検査を行う。
  1. 明確な診断基準はなく、視触診、画像診断により、明らかな他覚所見が示され、かつ、癌、他の良性乳房疾患が除外された場合、「乳腺症」とする。
  1. マンモグラフィ(MMG)では、典型的には“dense and nodular parenchyma”と表現される像を示し、高濃度で両側対称性、前方境界線が明瞭で、前方に滑らかな凸の曲線を描くことが多い。
  1. 超音波検査(US)では、不規則な豹紋状パターン、多発性の嚢胞、乳管拡張などを示すことが多い。低エコー腫瘤を形成することもあり、組織診での確認が必要となることもある。
  1. MRIでは、びまん性多発濃染像、あるいは乳腺辺縁主体の濃染像として認められる。特に、後期相で強く染まる。
  1. 乳腺症の組織像:<図表>
  1. 乳腺症のMMG典型像:<図表>
  1. 乳腺症のUS典型像:<図表>
  1. 乳腺症のMRI典型像:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

癌を除外するための検査例
  1. 画像診断が必須である。
  1. 自施設で下記の画像検査が施行できない場合は、装置設置施設を紹介。状況によっては専門医を紹介する。 >詳細情報 
○ 乳腺症を疑う場合、1)2)を施行、あるいは施行可能な施設を紹介する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

乳腺症の診断アルゴリズム
乳腺症の組織像
乳腺症のMMG典型像
乳腺症のUS典型像
乳腺症のMRI典型像
月経周期によるUS像の変化
乳腺症
著者校正/監修レビュー済
2016/05/27


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